Q. 加速感が決め手だったのにぜんぜん加速しない。契約解除できますか?

“加速がスゴイ”と言われて購入を決めたが、思ったほど加速しないことが判明。契約を無効にすることは可能?

A. 馬力などが表示の数値に達していない場合は「隠れた瑕疵」にあたるが、主観であれば当然、契約の取り消しはできない。

感覚的な「加速が悪い」という訴えでは、契約の無効を求めることはできません。無効にするためには、合理的な説明が必要になります。

例えば、加速が悪いと感じるのならば、エンジンの出力を実際に計測して、同じ車種のエンジン出力と比較するなどして、加速しないことを数字で証明する必要があります。もし、数値が劣っていることが証明できれば「隠れた瑕疵」にあたるでしょう。

また「加速がスゴイ」という表現に関してですが、これはセールストークの範疇にあたると思われます。ただし、「チューンナップされていて、○馬力出る」と具体的に示した数値に達していない場合は、契約を無効にできる可能性はあります。

ここがポイント!

加速を含めて匂いや音など主観で感じ方が変わる部分は、できれば試乗を行なって、自分の感覚で確かめたい。

■使える法律用語■

隠れた瑕疵(かくれたかし)
取引時点の通常払う注意ではわからない傷や欠陥のこと。保証が付かない「現状販売」にも適用される。買い主は瑕疵の存在を知ったときから1年以内であれば、代替物との交換や損害賠償請求ができ、売り主は答える義務がある