Q. 夏になってエアコンを入れたら故障していた。修理費用はどうなるの?

冬に購入した車なのですが、夏になって初めてエアコンをつけたところ冷房が正常に作動しません。これって修理してもらえますか?

A. 契約前から故障していたことが認められれば瑕疵担保責任によって修理してもらえる可能性も

装備仕様に「エアコン」と記されている場合には“冷暖房が作動”することも、車が有する通常の機能に含まれると考えられます。作動しなかったり、冷気が出なかったりといった故障が、契約時にはわからなかった場合、隠れた瑕疵と認められ、担保責任で無償修理となるでしょう。

ただし“エアコンの効きが悪い”となると話は別。経年劣化の可能性もありますし、主観も入ってくるからです。とくに経年劣化は、日本自動車販売協会連合会監修の標準約款において「通常生ずべき瑕疵には異議を述べない」とされているので、無償での修理は難しいです。

また、冬に購入して夏に気がついた場合、購入から相当な期間が経過しており、故障が購入前からか購入後の使用によるものかの立証が難しくなります。ただし、その年の最初の夏日に、初めてエアコンを作動させたら故障していたことに気がついたなど、合理的な理由がある場合は契約時から故障していたことを立証しやすいです。

いずれにせよ、中古車の瑕疵担保責任は立証が困難です。エアコンをはじめとして、電装系に関しては、実際にスイッチを入れ、作動するかどうかの確認を購入前に必ず行うことをオススメします。

ここがポイント!

エアコンは“走る、止まる、曲がる”といった、安全に走行できる最低限の機能ではないが、装備仕様に記されている場合には、車が有する機能に含まれる。

■使える法律用語■

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)
商品に一般的に備わっているべき機能などに欠陥があり、購入時に通常の注意をしても気づかないものである場合、売り主が買い主に対し負う責任のこと。1年以内ならば売り主に対し損害賠償請求や契約の解除を請求できる。