Q.購入直後からトラブル続出!
       有料保証分だけでも取り返すことは可能?


趣味性の高い古い輸入車を購入しました。しかし購入直後からトラブルが続出。古い車なので仕方がないなと修理に出すと、部品が船便でしか届かないという理由で、なんと修理に1年もかかりました。

念のために有料保証に入っていたんですが、これだと何の意味もありません。有料保証分を取り返すことはできますか?ムリだとしても、せめて代車くらいは無料で借りられたと思うので、その分の損害賠償請求はできないでしょうか?

A.有料保証分の料金返還は難しいが
       隠れた瑕疵に原因があれば可能となる


このケースの場合は、有料保証分の料金を取り戻すのは難しいと思われます。なぜならば、故障した車に関して、修理は保証に基づきしっかり行われており、販売店と購入者の間にある契約は履行されているからです。

それでは、代車に関してはどうか。これも簡単な話ではありません。ポイントは損害賠償の範囲がどこまで適用されるかです。もしも、契約時に特約として、「修理中は代車を無料、無期限で貸し出す」といった一文が盛り込んであれば請求できるでしょう。
そのような特約がなければ、修理期間中、代車を無料で借り続けるのは難しいと思われます。

ただし、その故障が「隠れた瑕疵」に原因がある場合は、話が変わってきます。この場合、販売店側に瑕疵担保責任が認められるので、購入者は瑕疵(欠陥)により被った被害の損害を請求することができます。そうすると、修理期間中の代車やそれに準ずる損害賠償金を請求することは可能となるでしょう。

マニアックな車は、どうしても購入後の修理が必要になりがち。故障したときのケアやかかる金額、売り主が負担する責任の範囲などを事前に確認しておいたほうがいいでしょう。契約時に特約として一筆書いてもらうことができればより安心です。



illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

特約(とくやく)
契約書の約款の内容を変更したり補充したり、排除または追加することができる特別約款のこと。通常の約款に対して優先して適用される

隠れた瑕疵(かくれたかし)
売買の対象とされた特定のものに見つかった、取引の時点では分からなかった傷や欠陥のこと。責任は売り主に発生する。代替性があるものなら交換すればよいが、中古車は一物一価なので代替性がなく、損害賠償か契約解除による事態の解決が行われることが多い