Q.最新のナビを付けてくれると思っていたら
古いCDナビが。納得いかないんだけど…


購入の交渉をしているときにハードディスクナビの話が出ました。店員と僕とで「あると便利ですよね」などの話の後「ナビをサービスでつけてくれたら購入します」と条件をつけたところ、店側は「じゃあサービスで納車時に付けておきますよ」ということになりました。
しかし納車されてみると、実際に付いていたのはすごく古いCDタイプのナビ。ハードディスクナビの話が出た後だったので、最新のナビが付いてくると思っていました。なんだか納得がいかないのですが…。

A.店側と客側に認識の違いがあるので
一概に法律違反とは言えません


「ナビを付ける」といった話だけでは、客側は最新ナビ、店側は下取り車から外した旧型ナビを想像していたかも知れません。この場合、店側ができるだけ利益を出そうとするのは合理的な行動と捉えられるので、特に悪質と言った話ではありません。
しかし、話の前後の流れから、具体的に最新のハードディスクナビを付けるような内容だった場合には契約違反になり、契約解除の要件にあたると考えられます。

また、常識の範囲として、市場に一般的に流通していないような古いナビをつけて「ナビが付いている」と言い張るのには少し無理があるでしょう。それなりのナビが付いていることが、車を購入するための重要事項の場合には、契約の解除を申し立てることができると思われます。

客側も、あいまいな約束ではなく、どのようなナビなのかを具体的(メーカー名や型番、またはそれに相当するものなど)に特定して、契約書の備考欄に一筆書いてもらうほうがいいでしょう。また、自分が希望するナビをサービスしてくれるから車を購入するという場合には、ナビが付いていることが購入を左右する重要事項である、ということを明記してもらいましょう。


「カーナビをサービスで」その一言で購入を決めたのに…
illustration/もりいくすお





■ワンポイント法律用語■

重要事項(じゅうようじこう)
商品の購入契約を結ぶかどうかを決めるときに、その意思に影響を及ぼす事項。程度や用途、価格、取引条件などが一般的な要件