Q.担当していた店員が退職し、約束した無料サービスが反故に…。履行を求めることはできる?

接客を担当した店員が納車時に退職しており、約束した無料サービスが反故にされていました。販売店に履行を求めることは可能ですか?

A. 約束が証明できれば、販売店にサービス、またはこれに相当する損害賠償を請求できるでしょう

今回のケースの場合は、まずは“約束があったこと”を証明する必要があります。契約書に特記事項として一筆もらっていれば完璧ですが、担当者の名刺にメモ書きしてもらう程度でも問題ありません。約束内容を書面にしてもらうことが大事です。逆に言えば、約束を証明できなければ、水掛け論になり、サービスの履行を求めるのは難しくなる可能性があります。この場合は、退職した店員に約束があったことを証言してもらうなどの対応が必要です。

約束が証明された場合、通常、店員は契約まで任されている状態なので、交渉内容も販売店から任されていたと推測されます。販売店は約束の内容を履行する義務があるでしょう。

もし、それでも販売店側が「退職した店員がアルバイトで、交渉の権限がないにもかかわらず、勝手にサービスの約束をした」と主張した場合は、販売店が被用者に対する注意を怠ったということで「使用者責任」を問うことになります。

ここがポイント!

購入時のサービスやこちらからのお願いは、口約束だけで済まさずに契約書に明記してもらうこと。

■使える法律用語■

使用者責任(しようしゃせきにん)
事業のために他人を使用する場合、被用者がその事業を行うにあたって第三者に加えた損害は使用者が賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者を採用したり監督したりするときに、相当の注意をしたことなどを証明できれば免責される