人馬一体の走りを体感できるライトウェイトオープンスポーツ

OVERVIEWモデル概要

後発のライバル勢とは比較にならない軽さを実現
平成元年に登場した初代ロードスターは、北米を中心に大人気となり、メルセデス・ベンツにSLKを、BMWにZ3を作らしめた。それら後発グループがハイパワー&重量化の道を歩んだのに対し、ライトウェイトであることを守り通している。 現行モデルでもライバル車より約300kgも軽く、唯一無二のライトウェイトスポーツとして、世界に誇れる一台である。

MECHANISMメカニズム

軽量かつ剛性の高いボディに2Lエンジンを搭載
剛性を確保するため、フロアトンネルが高められ、床下に閉断面構造を作るための補強メンバーが渡されている。ダイレクトなレスポンスを引き出すパワープラントフレーム(PPF)を採用したのも特徴だ。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンク式。R系には、ビルシュタイン製バンパーやフロントサスタワーバーが奢られる。エンジンは2LのNAの1機種。ハイオク仕様とし、170psを発生。ミッションは5MT、6MT、6ATの3種があり、R系のリアデフにはトルセン式LSDも装着されている。

EXTERIOR & INTERIOR内外装

スポーツカーらしいボディにソフトトップと電動のハードトップを用意
ロングノーズ&ショートデッキのフォルムは、古典的スポーツカースタイル。ヘッドランプは固定式で、コストダウンや軽量化のほかに、パッシングが直ちにできるようにという北米の法規を満たすのも目的。長円形のケースに丸型ランプを配置するリアコンビランプは、ロードスターのアイデンティティ。ルーフは手動で開閉するソフトトップと、樹脂製ルーフを電動で開閉するパワーリトラクタブルハードトップ(RHT)の2仕様を用意。後者の格納時間は約12秒と世界最速レベルで、重量増も37kgと最小限。

DRIVING IMPRESSIONドライブフィール

思いのままに操れる、人馬一体の謳い文句にふさわしい一台
絶対的な速さより操る楽しさを重視しているロードスター。その操縦性能は、まさに“人馬一体”で、ドライバーが操作した分、車は期待通りの動きを見せてくれるため、常にドライバーが主役でいられる。エンジンのトルク特性はフラットで、最廉価のグレードの5MTでも十分楽しめる。RHT車はルーフを閉じたとき、ボディ剛性が高まるのを明確に感じられる。重量が増した分、サスペンションは専用セッティングが施されており、本来の爽快な操舵フィールを維持しながらもしっとりとした乗り味を実現している。
2005年 8月/デビュー ベーシック、スポーティ、ラグジュアリィの3グレードを用意
マツダ ロードスター VS|人気中古車完全カタログ
サドルタン内装&タンカラーのソフトトップは、シートヒーター付き本革シートなどの充実装備が特徴のVSに標準装備。他グレードはブラックだが、RSはオプションでなら選択可能だ
人馬一体をコンセプトとするロードスターの3代目が登場した。エンジンは新開発の2L直4DOHCのみの設定。5MTと6ATが選べるベースグレードのほか、6MTのみのRS、6MTと6ATをもつVSが用意された。
2006年 1月/特別仕様車 内外装の質感をさらに高めたアニバーサリーモデル
マツダ ロードスター インテリア|人気中古車完全カタログ
本革シート&ドアトリムの色は、ボディカラーによって異なる。ボディがブラックなら内装はレッド、ボディがレッドなら内装はブラック
『2005-2006日本カー・オブ・ザ・イヤー』受賞記念モデルが登場。ベース車はRSとVSの6AT車で、シートヒーター付き本革バケットシートやBOSEサウンドシステムなどの特別装備が奢られた。
2006年 8月/一部改良&グレード追加 オープン時でも実用性十分の電動ハードトップモデル
マツダ ロードスター RHT リアスタイル|人気中古車完全カタログ
ルーフ部を軽量&コンパクトとしたほか、重量増を抑えながら効果的な補強を施すことで、ソフトトップ同様のボディ剛性を実現したRHT
スイッチを押すだけで開閉可能な電動ルーフシステムを装備した、パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)を全グレードに設定。また、ボディカラーに新色のストーミーブルーマイカが追加されている。
2007年 4月/特別仕様車 RX-8やアテンザでも好評のコンプリートモデル
マツダ ロードスター フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
専用フロントエアダムスカートなどを装備し、空力性能の向上とスポーティな外観を実現。ボディカラーはエムズチューンのテーマカラーであるモイストシルバーメタリックが採用された
関連会社のマツダE&Tより、マツダスピードエムズチューンが登場。ベース車はRSで、専用チューンを施したエンジンやビルシュタイン製の車高調整式専用ショックアブソーバーなどが採用されていた。
2007年 10月/一部改良&特別仕様車 RHTに多数の特別装備を施した受注生産モデル
マツダ ロードスター フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
専用のBBS製ホイールは、軽量化と高剛性化に貢献する鍛造アルミ製。高輝度塗装を施し、質感が向上している。クリアタイプのフォグランプやブラックのベゼルも特別装備の一つだ
プレステージエディションは、RS RHTとVS RHTの6ATがベースの特別仕様車。グレーのステッチをアクセントにしたヒーター付き本革シートや、ステンレス製スカッフプレートなどの専用装備が採用された。またRHTには新たに、シート高を上方に30mm調整可能な運転席ラチェットレバー式シートリフターがオプションで設定されている。
2008年 12月/マイナーチェンジ デザインの刷新と走行性能の向上を実施
マツダ ロードスター フロントスタイル|人気中古車完全カタログ
マツダ車のアイデンティティである五角形グリルを採用。サイドボディ下部からリアバンパーへとつながるキャラクターラインにより、躍動感がアップしている
内外装のデザインを変更。また、MT車の最高回転数を7500rpmとしてエンジンの伸び感を向上させたほか、AT車には路面状況や車両の挙動を判断して最適なシフト選択を行うAAS機能などを追加している。

SPECIFICATIONS代表グレードスペック

  2005年8月(デビュー時) 2006年8月(グレード追加時)
グレード ベースグレード RS RS RHT VS RHT
駆動方式 FR FR FR FR
トランスミッション 6AT(5MT) 6MT 6MT 6AT(6MT)
全長×全幅×全高(mm) 3995×1720×1245 3995×1720×1245 3995×1720×1255 3995×1720×1255
ホイールベース(mm) 2330 2330 2330 2330
車両重量(kg) 1100(1090) 1100 1140 1140(1130)
乗車定員(人) 2 2 2 2
エンジン種類 直4DOHC 直4DOHC 直4DOHC 直4DOHC
総排気量(cc) 1998 1998 1998 1998
最高出力[kW(ps)rpm] 122(166)[125(170)]/6700 125(170)/6700 125(170)/6700 122(166)[125(170)]/6700
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 189(19.3)/5000 189(19.3)/5000 189(19.3)/5000 189(19.3)/5000
10・15モード燃費(km/L) 11.8(13.4) 13.0 13.0 11.8(13.0)
文:安藤 眞、ユニットクワトロ