ホンダ N-VAN

国内外、様々なモデルの魅力をテクノロジー視点で解説! ちょっとマニアックで難しい専門的な知識も、楽しく分かりやすくマンガで紹介していきます。

講師紹介

松本英雄

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。

田代哲也

マンガ家

田代哲也

マンガ家・イラストレーター。1997年『週刊少年ジャンプ・サマースペシャル』(集英社)でデビュー。少年マンガ誌、青年マンガ誌、スポーツ雑誌などジャンルを問わず執筆。スズキの車を4台乗り継ぎ、現在の愛車はスイフトスポーツ。

NVAN(田代哲也)"
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重要ワード(マンガ内※)解説

※1 Nシリーズ
1967年に登場した名車、N360を始祖とするホンダの軽自動車シリーズ。ホンダの第2期F1参戦に携わったメンバーが開発陣に名を連ね、新しい軽自動車専用プラットフォームを設計。2011年に初代N-BOXがデビューした。

翌年にはN-BOXのルーフを高くし、遊びの要素をプラスしたN-BOX+とプレミアム性を高めたN-ONEが登場。2013年には、軽ワゴンの初代N-WGNと、N-BOXのルーフを低くし個性的なデザインにしたN-BOXスラッシュが登場しNシリーズの乗用車は全5タイプに。

2017年にN-BOXがフルモデルチェンジし、それをベースにした軽商用車のN-VANが2018年に登場。N-WGNは2019年8月にフルモデルチェンジ。

ホンダ N-BOX▲N-BOX(2代目・現行型)
ホンダ N-ONE▲N-ONE(初代・現行型)
ホンダ N-WGN▲N-WGN(2代目・現行型)

※2 広々空間
今まで軽バンは1800㎜×900㎜のコンクリートパネル(コンパネ)を平積みできるよう設計されてきた。N-VANはコンパネを平積みできないが縦置きができるよう設計。

ホンダ N-VAN▲様々な仕事で使いやすいよう広い荷室をアレンジできる純正アクセサリーも用意

※3 骨組み
2代目N-BOXから採用される第2世代Nプラットフォームをベースに、センターピラーレスや大開口リアドアを実現するために床下を大幅に補強。乗用車に比べて積載量が多くなる軽バンの室内スペースを犠牲にすることなく、ボディ剛性を高めている。

※4 自作の棚
軽バンを仕事で使うプロたちは現場に持っていく道具を効率よく出し入れできるように自分たちで荷室に棚を作る人が多い。N-VANは開発時に多くのプロからどうすれば棚などを作りやすくなるか、どんな装備があると便利かなどをヒアリングしたという。

※5 固定式
軽バンを仕事で使う人はほとんどが1人で移動する。そのため助手席も非常用と割り切り、フルフラットにして荷室の一部と使えるように。

ホンダ N-VAN 仕切り▲運転席と助手席の間には小さな荷物が転がってブレーキペダル下などに入らないよう仕切りが付いている

※6 後席
レジャー用途を見込んだグレード、+スタイルファン、+スタイルクールの後席にはシートピロー(ホンダはヘッドレストと表記していない)が備わる。

ホンダ N-VAN シート▲後席を格納するときは写真のようにシートピローをしまっておけるスペースも用意されている

※7  S660と同型のミッション
軽スポーツのS660はエンジンを運転席後方に搭載するミッドシップレイアウト。そのトランスミッションをFFおよび4WDでも使えるように改良して搭載。

ホンダ N-VAN シフト▲最大積載量350kgの荷物を積んだ状態でも高い駆動力を発揮できるようギア比を設定している

※8 低速重視の設定
現行型N-BOXのNAエンジンには回転数によりバルブの開閉タイミングを変えるi-VTECが備わるが、商用バンは一般道を中低速で走る時間が圧倒的に長いので、i-VTECを外して低速重視の設定にし、低コスト、高効率化を図っている。

※9 まったく問題なし
開発前にはホンダ社内でも駆動輪の空転を心配する声があったという。しかしN-VANは後輪がボディ後端にあるためフル積載でも前輪が浮きにくい。さらに専用リアサスペンションを開発し、空荷からフル積載まで安定して走れるよう設計されている。

監修/松本英雄、イラスト・マンガ/田代哲也、文/高橋満(BRIDGE MAN)、写真/ホンダ
※この記事は情報誌カーセンサー2019年10月号掲載の記事をWeb用に再編成したものです