▲クーペ風のヴェゼルと違い、こちらの派生車は、オーソドックスなフォルムをまとって登場する。ノーズが低く見えるよう、前下りに設計されたボンネットフードの先には、イナズマ型のランプが配される ▲クーペ風のヴェゼルと違い、こちらの派生車は、オーソドックスなフォルムをまとって登場する。ノーズが低く見えるよう、前下りに設計されたボンネットフードの先には、イナズマ型のランプが配される

年度内に直4ターボを追加し、続投される現行モデル

国内で大ヒットして成功を収めたホンダ ヴェゼル。気づけば登場からまもなく5年がたとうとしていることもあり、モデルチェンジの準備が進んでいてもおかしくはない。

しかし、一方で「世代交代はまだ先なのでは?」と見る向きもある。なぜなら、2018年度中に1.5Lターボの追加が予定されているからだ。現行モデルの拡充は、まだまだ現役として販売されることを意味する。

そんなヴェゼル周辺の状況だが、スクープ班が取材を続けた結果、ホンダが新たなSUVを開発していることが判明した。同社は、次期ヴェゼルとともに、同クラスの派生車も準備しているという。これは、今後も拡大が見込まれるSUV市場において、様々な需要に応えていくための策だろう。

▲フィットベースのクロスオーバーSUVとして、2013年12月にデビューした現行ヴェゼル。クーペ風のルックスながら、使い勝手の良いリアシートが与えられるなど、高い実用性を併せ持つ▲フィットベースのクロスオーバーSUVとして、2013年12月にデビューした現行ヴェゼル。クーペ風のルックスながら、使い勝手の良いリアシートが与えられるなど、高い実用性を併せ持つ

ヴェゼルと派生車、差別化はどのように?

次期ヴェゼルは、現行モデルより車格が上がるとの情報も入手した。フィットをベースにしたコンパクトさは支持を集めたものの、SUVとしての実用性を考慮すると、ラゲージスペースや後席居住性に物足りなさを感じるユーザーも少なからずいるようだ(特に海外マーケット)。

そこで、兄貴分にあたるCR-Vの立場を、脅かさない範囲でクラスアップが図られるようだ。同じようなセグメントに2車種を投入して幅広いニーズに応えていく姿勢はウェルカムだが、どのように差別化するのだろうか。

スクープ班が予想するシナリオは、ヴェゼルをよりスペシャリティ色の強いクーペに進化させる一方で、道具として使い倒せるSUVを別途用意するプランだ。BMWで例えるならば、X3とX4のような関係だろう。

スタイリッシュ路線でデザインをウリにするヴェゼルと、空間の広さを第一に掲げて、高い実用性を誇る新型SUVという構図だ。

ホンダ社内では新たな問題が浮上

このように異なる2種類のSUVを並行開発している傍ら、ホンダ社内では思わぬ悩みが浮上している模様。それは、どちらをヴェゼルと命名し、どちらに新しいネーミングを与えるかだ。

どう考えてもクーペスタイルの車がヴェゼルで、実用的なハコ型の方が別名だろうと思う。しかし、スタイリッシュな外観と並んで、使い勝手の良さも現行ヴェゼルのセールスポイントとして好評を博しているだけに、「実用性に磨きをかけて進化させた」との触れ込みで、ハコ型の方を次期ヴェゼルとして投入することも不可能ではない。

冒頭で触れたように、ヴェゼルには2018年度中に、ターボ車が加わる。当初、スクープ班は車格を加味して、1L直3ターボが与えられるだろうと予想していたが、実際にはシビックやステップワゴン、CR-Vと同じ1.5L直4ターボが用いられる計画だ。

ヴェゼルのサイズに対して、ややオーバースペックにも思えるが、次期モデルでクラスアップを図る布石として、あえてワンクラス上のユニットを起用して、モデルチェンジの前から車格を徐々に高めていく計画なのかもしれない。

※2018年10月23日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【SPECIFICATIONS】
■予想発表時期:2019年10月
■全長×全幅×全高:4450×1795×1650(mm)
■搭載エンジン:1.5L 直4+ターボ

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、ホンダ