【旦那さま必見】ちょいレトロな車の購入に反対する妻の「口説き方」教えます
2017/07/27

普通に言うだけではたぶん説得できない
男はそこに「ロマン」があるから車を買い、女性はそこに「用事」があるから車を買う……なんてことを言うと今どきは怒られそうなので、言い直しましょう。
「男は、本来実用の道具である車に、実用以外の何かも求めることが多い。対して女性は一般的に、そんな男心を理解しない場合が多い」
……これならいいでしょうか? って誰に許可を求めてるのかわかりませんし、例外もたくさんあるのでしょうが、世の中の実相はおおむねこんなもんかと存じます。
あなた(これをお読みの男性)は、単なる移動のための機械としてだけでなく、心の内に響く何らかの声に突き動かされ、何らかのステキな車が欲しくなる。とっても速いスポーツカーや、味わい深いクラシカルな車などです。ここはひとつ「クラシカルな車」が欲しくなったとしましょう。往年のミニとか、昭和のいすゞ 117クーペとか、他のでもいいんですが、例えばそんな車です。

そしてその意向を、妻に伝えます。家計の管理はあなたのご担当だったとしても、車というのは安い買い物ではありませんから、いちおう事前通告はしておくべきでしょう。
で、言います。
すると当然「そんなのダメ」と反対されます。そりゃそうです。我々はロマンのために(も)車を買うわけですが、敵はそこを理解しない傾向がありますので、いかにも壊れそうで、エアコンも効かなそうな古い車を買いたがるあなたを「……この人、バカなのかな?」ぐらいの目で見ます。
しかしあなたはそれを買いたい。もうね、熱烈に買いたくてたまらない。ならば一体どうすれば妻を説得できるのでしょうか?
……非常に難しい問題ですが、次章以降、皆さんと一緒に考えてまいりたいと思います。
毎日の生活を通じてレトロ車購入の「下地」を作る
「現実的」である場合が多い女性に、ロマンあふれる(ただしその分だけリスクや難点もある)車への買い替えを納得させるのは、並大抵の努力では達成不可能です。我々はまずそこを肝に銘じるべきでしょう。そして昔の人は良いことを言いました。「急がば回れ」です。その精神でこの問題に取り組み、そして達成しようではありませんか。
まず行うべきは「サブリミナル迂回作戦」です。

いきなり「クラシカルな車に買い替えたい」と宣言しても200%ムダですので、まずは「迂回」します。で、そこに「サブリミナル効果」的なアレをトッピングするのがこの作戦の骨子です。
夕食の後、車のくの字も出さずに「時代はやっぱネオクラシックだよね~」とかなんとか言いましょう。確かにインスタグラムのフィルターなどを見るまでもなく、最近は「レトロっぽいもの」が人気ですので、妻も「そうだよね~」としか返しようがありません。YESにYESを重ねさせる心理テクニックです。
そうなったらしめたもので、その後は50年代後半から60年代前半のヌーべルバーグ期のフランス映画や、60年代後半から70年代前半のアメリカン・ニューシネマのなかでもおしゃれなやつのDVDを、夫婦で積極的に観るようにします。また、レトロな何かの特集をしているおしゃれな雑誌を見かけたら、たとえ内容に興味がなくても買っておき、自宅のテーブルの上とかにさりげなく置きます。また休日はそれ系のアートイベントなどにも夫婦で一緒に出かけるべきです。
ただし、意図がバレバレにならないよう「やりすぎないこと」も重要です。そのあたりは妻の顔色を観察しつつ、ペースを調整してくださいね。またお子さんがいらっしゃる場合は何かと難しい局面もあるかもしれません。それでもなんとか工夫して、ぜひこの「サブリミナル迂回作戦」を2~3ヵ月はやり続けてください。

時が満ちたら最後は直球勝負で
あなたは今「そんなまどろっこしいことを2~3ヵ月もやるのか!」と思ったかもしれませんが、当然じゃないですか。女性という賢い種族をナメてはいけません。本当なら2~3年はかけるのが理想ですよ。
さて。そんな感じでサブリミナル迂回作戦を展開しているうちに、妻の方にも「レトロなモノってやっぱりステキだよね」という“下地”が出来上がってくるはず。まぁ個人差はあるでしょうから何とも言えませんが、少なくとも“それに慣れてくる”というのはあるはずです。
そこで第2の矢を繰り出します。「再プロポーズ大作戦」です。
ここでは変な小細工はいりません。思いの丈を情熱的にぶつけましょう。ただしその思いの丈は「妻に対して」「僕たち夫婦に対して」をメインにするべきで、「車に対して情熱的」になるとハズしますので、くれぐれも気をつけてください。

「再プロポーズ大作戦」の詳細というか一例については以下、セリフ形式でお伝えします。
「キミも知ってのとおり、自分は最近、古いカルチャー全般に興味を持ち、雑誌とか映画とかで研究するようになった。そうしているうちに、昔の、出会った頃の僕たちのことを思い出した。あの頃の僕たちは輝いていた。……でも、今はどうだろうか? 現実の生活ってやつに、いろいろ流されてはないだろうか?」
クサくなりすぎないよう、悲観的になりすぎないよう、注意してください。
「もちろん今だって僕ぁシアワセだ。日本の男だからこういうこと言うのは照れくさいけど、キミを愛してる。でも……どこか倦怠期っつーかなんつーか、そういったものもあることは否めないと思う。そしてそれはたぶん、僕のせいだ」
決して妻のせいにはしないでください。あくまでも自分が悪い、と。
「そこで考えたんだ。初心に戻りたいって。そしてウチの車を替えてみたいって。……僕たちが出会った頃の、ちょっとプリミティブな車をウチの車とすることで、何かまた新しいことが始まるような気がするんだ。それにより僕が好きだった、いや今だって大好きなキミの笑顔も、なんだかんだいって増えるんじゃないかと思う」
そしてもうひと押しします。ただし相手の顔色をさりげなくうかがいつつ、クドすぎないニュアンスを各自でつかむことが重要です。
「そしてキミは、ああいった○○年代風のアイテムがとっても似合う。ホントだよ! ここんとこ、雑誌とか映画とか見ながらずっとそう思ってたんだ。(iPadか何かで写真を見せつつ)こんな感じの車に乗って2人でドライブに行ったら、なんかおしゃれな夫婦に見られそうじゃない? 運転はぜんぶ僕がするから心配しないで!」
車そのものではなく「その車を買った後のステキな生活」をイメージさせてから、いよいよクロージングです。
「ということで、これに買い替えたい。そしてキミと楽しく生きていきたい。……どうだろうか?」

が、結局夫は妻の手のひらで踊ってるだけなのかも?
ずいぶん長くなってしまい恐縮ですが、以上が「迂回サブリミナル戦術」と「再プロポーズ大作戦」の全貌です。
……ただ、クロージングの時点でたぶん妻の方は“すべて”に気づいたでしょう。「ははーん。この人はこの車が買いたくて、3ヵ月ぐらい前から何やら妙なこと始めたんだな……」と。女性はというのは現実的であると同時に、非常に勘のいい聡明な種族ですから。
ですがたぶん、そこで妻は気づかなかったフリをしてくれるのではないかと思います。
「……ここまで子供みたいに、それこそ5歳児みたいそれが欲しいっていうんなら、まぁいっか……」的な感じで、いい意味であきらめてくれることでしょう。たぶん。
そして無事あきらめてもらったら、そんな優しく聡明な奥さまと結婚できた幸運に感謝しつつ、2人もしくはご家族で販売店を回り、何かこうステキでレトロな1台をぜひ手に入れてください。で、必ず安全運転で(なにせ古い車は、今の車と比べると安全装備が若干プアだったりもするので)、楽しくも美しい日々を堪能していただけたら、筆者としても大変嬉しく思います。
どうか、お幸せに。

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メルセデス・ベンツ 190クラス、フォルクスワーゲン タイプⅠ、タイプⅡ、ポルシェ 911(初代)、ローバー ミニ、ボルボ 240エステート、ルノー 4、プジョー 205、シトロエン BX日刊カーセンサーの厳選情報をSNSで受け取る
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