100万円ちょいの旧型ミニ クラブマンをオススメするのは「安いから」だけではありません
2016/09/13
走行3万km台までの物件でも車両価格150万円以下
ベーシックなミニのホイールベース(前タイヤの中心と後タイヤの中心を結ぶ距離)を延長して後部にドアを設けた、ちょっと小ぶりでおしゃれなコンパクトワゴン、ミニ クラブマン。昨年末に登場した現行モデルの流通が本格化するに伴い、旧型クラブマンの相場がずいぶんとお手頃になっています。小粋なヨーロピアン・コンパクトに乗り替えてみたいと考えていた方は、この機会に本気で検討してみてはどうでしょうか?
具体的な市況を見てみますと、旧型ミニ クラブマンの新車時価格は274万~446万円でしたが、現在最も注目すべき中古車プライスゾーンは130万~150万円付近。この程度のお手頃プライスの中に、走行2万~4万kmぐらいの好条件な物件も紛れ込んでいるんです。
流通のメインはミニファミリーのなかでは中間グレードとなる「クーパー」ですが、高出力+充実装備の「クーパーS」だってイケなくはありません。「手頃な予算で、まずまず高年式なおしゃれ欧州車を手に入れたい」と考えていた人には絶好の選択肢かと思うのですが、どうでしょうか?
「とはいえフルモデルチェンジを受けたということは、現行型の方が性能は全然いいんでしょ? 逆に言えば旧型は性能的にかなり劣るはずなわけで。それならば、仮にいくら安くかったとしてもちょっと……」と思う人もいることでしょう。それは、確かにそのとおりな部分もあります。
走りも利便性も現行が上だが、旧型には旧型の良さもある?
ミニファミリーはこのクラブマンに限らず、現行型の世代になってから「しっかり感」のようなものが格段に向上しています。作りも走りもあまりにもしっかりしているため、現行世代のミニは「これはもうミニではなく『BMW 0シリーズ』だ!」なんて評されることもあるぐらいです。つまり各部の作りも走りの感触も、現行クラブマンの方が断然上と思ってまず間違いありません。
そして利便性についても、現行クラブマンはなかなか魅力的です。旧型クラブマンは3ドア版ミニのホイールベースを80mmだけ伸ばし、後席は右側だけに「クラブドア」と呼ばれる小さな隠しドアを設けていました。そしてボディサイズも、同世代の旧型3ドアミニより「ちょっと長い程度」でしかありませんでした。つまり積載性も後席へのアクセス性も、ワゴンとして見るならば若干物足りない部分があったことは否定できません。
「ならば旧型がいくら安くても意味ないじゃん!」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。物ごとの短所というのは、長所と表裏一体でもあるのですから。
荷物も人もさほど載せないなら旧型で十分な可能性も
現行クラブマンはずいぶん立派な寸法になりました。具体的には、旧型と比べて全長は30cm以上長くなり、全幅は11cm以上広くなっています。これにより居住性や積載性はずいぶん向上したわけですが(後席のドアも両側に付きました)、その分だけ「取り回しの容易さ」や「持って生まれた軽快感」みたいなものを失ったとも言えるのです。もちろん、荷物をガンガン積む使い方をするなら大きくなった現行型の方が向いてますが、「ウチはさほど荷物載せないから」というご家庭なら旧型でも十分というか、場合によっては「旧型の方がいい」と感じる可能性すらあります。
また走りについても、もしも長距離をハイスピードで移動する機会が多いのであれば、かなりしっかり感が増した現行クラブマンの方が疲れにくく、楽しいはずです。しかし荷物の話と同様に「ウチは近場が中心だから」というのであれば旧型でも十分というか、むしろ旧型のちょっとワイルドで軽やかな走行感覚の方が「楽しい!」と感じる可能性があるのです。
もちろん車としての総合力は、さすがに最新の現行クラブマンが上でしょう。そうでなければフルモデルチェンジの意味がないですからね。しかし、もしも「ウチはさほど大量の荷物はたぶん載せない」というご家庭で、なおかつ「車で長距離移動をする機会はさほど多くない」というのであれば、軽快でコンパクトで、そして前述のとおり「130万~150万円ぐらい」というリーズナブルな車両価格で走行距離の少ない中古車が狙えてしまう旧型ミニ クラブマンは、他の人にとってどうかはわかりませんが、「あなた」にとっては絶好球なのかもしれませんよ……!
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