▲同窓会にリムジンで乗り付けたら、さぞかし故郷に錦を飾れるだろう。でも、現実的に“見栄を張れる車”を選ぶなら…… ▲同窓会にリムジンで乗り付けたら、さぞかし故郷に錦を飾れるだろう。でも、現実的に“見栄を張れる車”を選ぶなら……

モテは諦めても、見栄を捨てられないのが男って生き物だ

男40代、モテたい願望はとうに捨て去り、車選びも女子ウケするカッコイイ車から燃費や乗員人数など実用重視になりがちだ。しかし、そんな40代男性にも捨てられないものがある。見栄だ。

地元に帰るときに同級生から「あいつ、勝ち組だな」と思われたい。引っ越した新居でご近所様と同等、もしくは上のレベルの車を駐車場に止めたい。子供のお迎えでママ友が乗る車に引け目を感じたくない。そんな気持ちを持ったことは、誰しも一度はあるはず。

見栄というとネガティブな印象を受けるが、少しでもよく見られたいという欲望は誰にでもあるもの。それに、見栄は粋やダンディズムにも通じる。見栄を無くした人生のなにが楽しいものか、と思う。

そこで今回は、見栄を張れるという一点で車選びを敢行。とはいえ、高い車を購入して見栄を張っては、逆に無粋というもの。お手頃価格で買えて、一目置かれる良い車を探してみた。「いい車だな」と思われるために必要な条件は下記の4つではないか。

(1)ブランド力
M・ベンツやBMW、ポルシェなどの輸入車は、分かりやすい“高級車アイコン”。車に詳しくなくても「高い車に乗っている」という印象を与えることができる。

(2)車格
人は古来より大きなものに畏敬の念を払う。車も同様で「大きな車=高い車」という認識を持たれがち。もちろん、大型車は自動車税が高く燃費も悪いことが多いので、そういった部分にお金を払える余裕が条件。「見栄」ではなく、本当に余裕がないと維持できなくなるリスクも考えておくこと。

(3)発売時の価格
発売時の価格は高ければ高いほどいい。中古車に乗っていても、はた目にはそれを新車で買って乗り続けているのか、中古車で買ったのかは分からない。

(4)年式
できれば現行型がベスト。モデル寿命が長い中古車の初期型を選ぶといいだろう。現行型が厳しければ、デザインがキープコンセプトで、旧型とあまりイメージが変わっていない車を狙いたい。他には、思い切って一般の人には価値が分からない旧車を狙う手もある。しかし、メンテナンス費用などが高額になるので、「見栄」というより金持ちの道楽になる可能性があるので注意。

まとめるとブランド力があるメーカーのフラッグシップクラスで、デカイ車体の現行型(もしくは、現行型と違いがあまり分からない)の車、といったところだろう。

オススメの「見栄を張れる車」はこの4モデル!

個人的にオススメしたいのは、トヨタ センチュリー(現行型)だ。センチュリーといえば、政治家や経営者の移動車の定番。現行型は1997年からで、外観に大きな変更も見られない。

1997年式なら総額50万円台から購入できる(2015年2月24日現在)。2009年式でも総額375万円の物件があった。ちなみに、新車時価格はグレードにもよるが1000万円前後。帰省した際の同窓会では後輩に運転を頼んで後部座席から降り立てば、完全に成功者のオーラをまとうことができるだろう。

▲こちらがトヨタ センチュリー。モデル全体の平均車両価格/平均走行距離は約117万円/約13万2000kmだ ▲こちらがトヨタ センチュリー。モデル全体の平均車両価格/平均走行距離は約117万円/約13万2000kmだ

「とはいえ、子供も小さいし、やっぱりミニバンが便利」というアナタには、M・ベンツ Vクラス(現行型)はいかがだろうか。フロントで輝くのはもはや高級車の代名詞、スリーポインテッドスター。ご近所様からも一目置かれること間違いなし。なお、実はこちら、現在の新車価格は約462万~655万円と意外にリーズナブルだった。

中古車では、現行型の初期モデルを探すと100万円台の車もチラホラ。M・ベンツのブランド力をミニバンでも生かせるセレクトではないだろうか。

▲1ボックススタイルの3列シート車、ビアノが名称を変更したのがVクラス。平均車両価格/平均走行距離は約292万円/約3万1000kmだ ▲1ボックススタイルの3列シート車、ビアノが名称を変更したのがVクラス。平均車両価格/平均走行距離は約292万円/約3万1000kmだ

「見栄も張りたいが、モテも諦めない」という人は、ポルシェ カイエンを候補に入れてほしい。M・ベンツやBMWが医者や弁護士、年輩の会社経営者などをイメージさせる高級車だとしたら、ポルシェはよりスポーティでIT企業の経営者などをイメージさせるだろう。当然「お高いに決まっている」という固定観念があるのだが、10年以上前の旧型ならば200万円を切る中古車も見つけることができる。

カイエンの外観はキープコンセプトで、車に詳しくなければ旧型と現行型の差は一見して分からないだろう。

▲こちらは初代カイエン。ポルシェとしては初めてのSUVだ ▲こちらは初代カイエン。ポルシェとしては初めてのSUV。平均車両価格/平均走行距離は約343万円/約5万8000km
▲こちらは現行型カイエン。デザインはキープコンセプト ▲こちらは現行型カイエン。デザインはキープコンセプト

「いやいや、予算は100万円だよ!」という経済観念が発達したアナタには、誰もが知る高級車ブランド、BMWの5シリーズがオススメ。現行型は旧型のデザインを引き継いでおり、写真で見てもわかるとおり、非常に似ている。

それでいて、2003年式前後なら総額100万円を切る車も。BMWはいま非常に人気な車だけに、費用対効果は抜群。

▲5シリーズはBMWのラインナップの中心的存在。こちらは旧型になる ▲5シリーズはBMWのラインナップの中心的存在。こちらは旧型になる。平均車両価格/平均走行距離は約147万円/約5万5000kmだ
▲こちらは現行型5シリーズ。ヘッドライトの意匠やフロントグリルまわりはキープコンセプトだ ▲こちらは現行型5シリーズ。ヘッドライトの意匠やフロントグリルまわりはキープコンセプトだ

今回挙げた4モデル以外にも、見栄を張れる車はたくさん存在する。しかも、古い高級車というわけではなく、どの車も21世紀に発売された車で、一昔前のような古い中古車にありがちなトラブルも比較的少ない。車選びには様々な条件があるが、とにかくいい車に乗りたいという人には、中古車は嬉しい限りだ。

text/コージー林田