フロントマスクに設けられたエアインテークはだてではありません ▲フロントマスクに設けられたエアインテークはだてではありません

世界限定250台はフェラーリF40よりもレア

原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車をご紹介します。今回、2015年1月14日に発見したのは「VW ニュービートルRSi」です。世界限定250台、日本への割り当てはたったの45台というレアものです。聞いて驚くなかれ。新車時価格は895万円もした高級車です。

ボディは90mmワイドになっていて、リアには大型ウイングやディフューザーを備えています。車高はローダウンされていてOZ製18インチホイールを装着。エキゾーストはレムス製でツインテールになっています。可愛らしいニュービートルに“凄み”があります。

▲リアには大型ウイングやディフューザーを装着。レムス製マフラーも採用されています。幅広いボディと相まって、まるでポルシェ 911のよう ▲リアには大型ウイングやディフューザーを装着。レムス製マフラーも採用されています。幅広いボディと相まって、まるでポルシェ 911のよう

ハードウエアはというと、3.2L V6エンジン(かつて存在したゴルフ R32と同じパワーユニット)を搭載。通常はFFで駆動し、いざというときにリアに駆動を配分する「4モーション」と呼ばれる4WDシステムが採用されています。

リアサスペンションがマルチリンクになっているのはニュービートルの中ではRSiのみですが、専用設計されたわけではなく4モーションを組み込むため、と理解してイイでしょう。

トランスミッションは6速MTのみ。クラッチもずっしりと重たくスポーティさが演出されています。

インテリアはカーボンとアルミ削り出しパーツが至るところに用いられていて、それはそれはスパルタンかつ上質な雰囲気です。レカロ製本革フルバケットシート、ハッキリ言ってカッコいいです。このまま東京オートサロンに出品されていても、違和感を覚えないチューニングカーに仕上がっています。

▲ドアの内張りにはカーボンが一面に貼られていて、軽量化だけでなくスパルタンさも演出。アルミの削り出しパーツにも色気があります ▲ドアの内張りにはカーボンが一面に貼られていて、軽量化だけでなくスパルタンさも演出。アルミの削り出しパーツにも色気があります
▲レカロ製フルバケットシートにはオレンジと赤の中間のような本革があしらわれています。体を包み込むバケットシートは、やる気を出させてくれます! ▲レカロ製フルバケットシートにはオレンジと赤の中間のような本革があしらわれています。体を包み込むバケットシートは、やる気を出させてくれます!

スペックは最高出力225ps、最大トルク32.6kg-mと控えめですが、0→100㎞/h加速は6.5秒。しかも、このV6エンジン、アイドリング時は静かですが、4000rpmを超えたあたりから官能的に吠えるんです!

ただ、ブレーキはゴルフやボーラの上級モデルに採用されるものと同じで、片押しのキャリパーとなっています。察するに、サーキットマシンというよりメーカー純正“ストリートレーサー”という位置づけなのでしょう。

当該中古車は新車時登録から約14年が経過していますが、走行距離はわずか3万1000kmです。写真を見るかぎり経年劣化で曇りがちなヘッドライトもクリアですし、内装の状態も至極良好なようです。

349万円という車両本体価格は、現行モデルであるザ・ビートルの上級モデルが狙えます。そういう意味では“高額”に聞こえるかもしれません。しかし、ニュービートル RSiは世界に250台しか存在しません。その希少性が見直され、いずれ値上がりする可能性すらあります。非常に価値ある車だと思いますよ。

■本体価格(税込):349.0万円■支払総額(税込):---
■走行距離:3.1万km ■年式:2001(H13)
■車検:無 ■整備:別(8万6400円) ■保証:付(1ヵ月/距離無制限)
■地域:東京

text/古賀貴司(自動車王国)