子育てプレジャーを充足させるミニバン以外の選択肢とは?
2014/12/05
目指すは「ドライビングプレジャー」と「子育てプレジャー」の両立
今でもあるのかどうかは知らないが、かつて某有名巨大掲示板に「実生活が充実している人間の車は必然的にミニバンになる」といった意味のタイトルのスレッドがあった。中身は読んでないのだが、タイトルだけで「なるほど、確かにそうかもしれない!」と思ったことを覚えている。
筆者には妻も子もいないがために、「あの車のサスペンションジオメトリーがどうのこうの」とか「コーナリング中に微舵修正角を加えた際の反応が云々」などと日々ウンチクを語っている。そして、そういったあれこれを語るにふさわしい比較的スポーティな車に乗っている。しかし、それは逆を返せば「助手席やセカンドシート、サードシートに乗せるべき愛する家族がいない。楽しげな野外道具も持っていない」ということの現れであり、あえて厳しい言い方をするならば「孤独でつまらん人生を送っている」とも言える。
ガーン。そうか、わたくしは孤独でつまらん人生を送っている男だったのか……。確かに、愛する我が子が2人とか3人とかいて、その者どもと日々仲良く暮らしているのであれば、サスペンションジオメトリーがどうのこうのと細かいことを語るいとまもなく、「とりあえずはサードシート! あと、汚れてもオッケーな内装!」といった車の選び方をするかもしれない。そして、サスペンションジオメトリーにこだわる人生と、愛息または愛娘および配偶者を連れて河原などにバーベキューをしに行く人生とを比べたとき、どちらが幸せかといえば微妙なところだ。
……いや、「微妙なところ」と言ったのは嘘だ。正直なところを言えば、たぶん「河原でバーベキュー」な人生の方が断然幸せだ。ゴキゲンな車で独り峠道を走っているよりも。
以上のことは承知の筆者だが、それでも、今後万一配偶者なり愛息または愛娘に恵まれたとしても、やはりミニバンは買わないだろう……とは思っている。サスペンションジオメトリー云々はさておき、BMWじゃないけど「小気味良い車で自在に駆けぬける歓び」というものは、やはり捨てがたいのだ。自動車愛好家としては。
とはいえ愛息または愛娘を2シータークーペの屋根にくくりつけて走るわけにもいかず、また当然、彼ら彼女らに対して十分な愛情を注ぎつつ、様々な経験を積ませてあげたいと思う自分もいる。
そうなったとき求められるのは、「ドライビングプレジャー」と「子育てプレジャー」とが見事に両立する何らかの車であろう。
もちろん、純粋な家族的用途としてはミニバンの利便性には絶対にかなわないまでも、それなり以上の利便性があり、それでいてそれなり以上のドライビングプレジャーを有している車……。それこそが、筆者のような人間が求めるべき車なのだ。ただ子供の養育には何かと莫大なマネーがかかるため、自家用車購入のための予算はある程度抑えめにしたい。具体的には「200万円以下」といったところだろうか。
そう考えたときにわたくしの脳裏に浮かぶ筆頭格は、ルノーのカングーである。それも、現行モデルではなく中古でしか買えない旧型カングーだ。
ボディがかなり大ぶりになってしまった現行型はさておき、旧型カングーは最高の実用車であるだけでなく、実は最良に近いハンドリングマシンでもある。これさえあれば、家族を乗せるときは良き父となり、独りのときは狼になる……って、「狼」はちょっと大げさだけど、まぁそんな感じで十分以上に楽しめるだろう。旧型カングーと似たような選択肢としてはミニのクロスオーバーやプジョー3008もアリだ。こちらも最近、総額200万円以下で十分狙えるようになってきている。
カングーやミニ クロスオーバーと比べて若干利便性が劣ってもノープロブレムと思うのであれば、旧型VWゴルフや現行BMW1シリーズ、アルファロメオのアルファGT(2ドアクーペだが実は後席がかなり広い)でもイケるはず。……そう考えてみると、わざわざミニバンを選ばずとも人生何とかなるのではないかと思い、未来への希望が満ち満ちてきた筆者であった。問題は、子作りの予定も予感も一切ない……ということなのだが。
まぁそれはさておき、今回のわたくしからのオススメは「ミニバンいらずの子育て系(?)輸入車」だ。