【オンリーワンを探せ】古き良きアメ車を味わえるビュイック パークアベニュー
カテゴリー: クルマ
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2013/10/15
原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年10月8日に発見したのは「ビュイック パークアベニュー」です。アメ車マニアは数多く存在すれど、失礼ながらビュイックマニアは少ないように感じます。日本では正規輸入代理店による販売も終了してしまいましたし「よくぞ今まで残っていました」って感じです。
パークアベニューは最近の日本では珍しい6名乗りです。フロントがベンチシートで、その広さは尋常じゃありません。普通の車でないことを感じさせ、ワクワクさせてくれます。全長は5235㎜もあり、日本で見れば相当に威風堂々としています。最小回転半径は6.1mと小回りは利きませんが、このサイズのFF車で横置きエンジンであれば致し方ありません。
エンジンは3.8LのV6で最高出力205ps、最大トルク31.8kg-m。今の水準からすればやや非力かもしれません。しかし、トルク重視の走りは大型客船が進むような力強さを感じさせてくれます。言うなれば、高級車らしい優雅な加速感があるんです。スーパーチャージャー付きのエンジンを搭載した「ウルトラ」というグレードもありましたが、当該車両はNAモデルです。
それにしても驚かされるのは写真からも伝わるバリモン(中古車業界用語で“極上コンディション”)ぶりです。6.2万kmと聞くと「まぁまぁ走ってるな」と思われるかもしれませんが、17年前の車ですから年間走行距離はたったの3647kmです。内装の写真を見るとシートのヘタりも少なそうですし、とにかく「綺麗」の一言。物件詳細をぜひチェックしてみてください。
新車時に600万円弱の車が17年落ちで総額121.7万円は決して安くありません。でも、市場に流通していないんですから仕方がないんです。中古車価格は需要と供給で成り立っています。高いと思う人もいるでしょうが、この状態で残っていることに価値を見出す人もいる、ということです。
ガッシリしたボディやフワフワな乗り心地、トルクにモノを言わせて走る感覚など、古き良きアメ車っぽさが色濃く残っています。最近の車と比べれば燃費が悪い、取り回しが悪いなどといった欠点が目につくかもしれません。でも、「これぞ外車」という個性溢れる車であるのも事実です。
Text/古賀貴司(自動車王国)