原稿執筆時点でカーセンサーnetに1台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2013年10月1日に発見したのは「マツダ コスモ」です。 一般的にはセダン投入後にクーペがラインナップに加わりますが、このコスモは違いました。1981年9月、2ドアハードトップがデビューし、10月に4ドアハードトップ、4ドアセダンと展開されたんです。もはや絶版となったコスモですが、セダンが投入されたのはこの型のみです。

このモデルは、当時のマツダ最高級車であるルーチェの姉妹車というポジションでした。デビュー当時のテレビCMでは、ナイトクラブを舞台に“バニー”(いわゆるホステス)たちが出演し、暗にステイタスシンボルを視聴者に訴えかけていました。「高級車」であることをアピールしたかったのでしょうが、今じゃ考えられません。

当初、リトラクタブルヘッドライトが採用されていましたが、マイナーチェンジで当該車両のような普通の固定式ヘッドライトに変わりました。薄くシャープなフロントマスクがアストンマーティン ラゴンダを彷彿とさせる、と個人的には思います。メーター回りはボタンだらけで、80年代オーディオ機器ブームを感じさせる、今となってはノスタルジックな「ハイテク」感がバリバリです。

当該車両はコスモの最上級モデルで、世界初のロータリーターボエンジンが搭載されています。4ドアハードトップとはいえ、4ドアセダンにロータリーターボという組み合わせ自体、そもそも珍しいです。まるで“生きた化石”のような存在で、世界的に保護されるべき対象と言っても良いでしょう!

カーステレオの不調やタイヤのひび割れなど、ネガティブな要素を販売店は挙げていますが、29年前の車に完璧を求めるのは酷。交換すれば直るものですし、むしろ、正直に伝えている販売店は信用できると思います。ルックスも中身もすべてが超個性派ですので、「最近の車ってどれも似たようなものばかりでつまらない」と思っている方、必見の1台です。

Text/古賀貴司(自動車王国)

マツダ コスモ

マツダ コスモ

本体価格(税込)58.0万円
支払総額(税込)81.9万円
走行距離7.5万km
年式1984(S59)年式
車検
整備
保証
地域大阪