スバルのレガシィと聞くと、ほとんどの方がツーリングワゴンや、セダンのB4を思い浮かべるでしょうが、今回ご紹介するのはそのどちらでもありません。2代目レガシィから設定されたグランドワゴン、ランカスターらの後継にあたるSUV、アウトバックをご紹介します。

アウトバックという名前になって2代目となる現行型は、2009年5月に登場。“グランドツーリング イノベーション”をコンセプトに、初代から続く優れた走行性能や安全性などを進化。そして、乗る人すべてが快適に過ごせる居住空間と、優れた環境性能の実現を目標に開発されました。

この“グランドツーリング イノベーション”をひもとくと、3つのことを重点に開発されたことがわかります。ひとつ目は、従来からの価値でもある運転の楽しさといった“ドライバーズファン”の進化。ふたつ目は、同乗者も快適に過ごせる“パッセーンジャーズファン”。そして3つ目は、高い環境性能を実現する“エコパフォーマンス”です。

これらの価値を進化そして実現したことにより、レガシィシリーズは、さらなる高みへ到達したというわけです。静粛性や乗り心地、衝突安全性、操縦安定性などに関しては、クレードル(ゆりかご)状のフレームに、エンジンなどを搭載する「クレードル構造マウント」を採用したことで、そのレベルが大幅に高められています。

エンジンは水平対向4気筒の2.5Lと、同6気筒3.6Lの2種類。2.5Lターボがない分、NAの3.6Lがラインナップに加わっています。さすがに3.6Lともなれば、ガソリン代を気にする方も多いでしょうが、実はこのエンジン、レギュラー仕様なんです。一般的には2Lオーバーともなれば、ハイオク仕様が当たり前ですが、財布に優しいエンジンでもあるのです。

組み合わせられるミッションも同じく2種類。2.5Lモデルには新開発の「リニアトロニックCVT」、3.6Lモデルには、改良されたダウンシフトブリッピングコントロールを備えた5ATが搭載されています。

さて、そんなアウトバックですが、ツーリングワゴン、B4と並び、とてもお買い得な状況にあります。一時はステーションワゴンの代名詞ともなったレガシィですが、その神通力も、今となってはあまり通用しないのかもしれません。

例えば、3.6Lエンジンを搭載した3.6R 4WD。これの修復歴なし+走行5.3万kmの中古車が149.9万円と、150万円を切ってきたのです。新車で買えば346.5万円。つまり200万円近く安い価格で売られているわけです。

これをお買い得と言わずしてなんと言いましょう。車の出来は良いのに安い。この言葉こそ、今のアウトバックにピッタリのフレーズではないでしょうか。

Text/金子剛士

画像

エクステリアは、力強くタフなイメージを強調するデザインを採用。フロントグリルはツーリングワゴンとは異なるデザインとし、独自性を主張する

画像

エンジンは2.5Lの4気筒と3.6Lの6気筒をラインナップ。組み合わされるミッションも2種類で2.5LにはCVT、3.6Lには5ATを設定している

画像

インテリアはゆとりの空間を実現。各部のデザインには“品格”も強く意識しており、シンプルながら高級感のあるものとなっている