本格的な4WD機構をもつミニバン

今回ご紹介するのは、本格的な4WD機構を備えたミニバン、三菱デリカD:5です。2007年1月の登場以来、なかなか値が落ちてこなかったのですが、初回車検での買い替えが進んだのか、ここにきてやっと狙い目の価格帯になってきました。

D:5の先代に当たるデリカスペースギアは、1994年から2007年まで生産された息の長いモデルで、コンスタントに売れ続けていた一台です。その秘密は、ミニバンでありながら、本格的な4WD機構を備えていたこと。このありそうでなかった組み合わせが雪の多いエリアで人気を集めていたのです。
  • 三菱 デリカD:5 外観(フロント)|おいしい中古車
  • 三菱 デリカD:5 外観(リア)|おいしい中古車
↑フロントは、ヘッドライトと縦桟メッキグリルを横一文字に配し精悍さを演出。リアもテールランプとガーニッシュを一体とし、前後の統一感を図っている(左右)
D:5は、そういった特徴を継承しつつ、大きく進化を遂げたモデルです。開発のテーマは「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」の融合。走行性能やボディ構造、室内環境に至るまで、そのすべてを新設計としています。

パワートレインは、エンジンが2.4Lの直4で(2010年1月以降は、FFモデルのみ2Lに変更)、ミッションは全車CVTとなっています。肝心の4WD機構は、走行状況に応じて、前後輪へのトルク配分を適正にコントロールする電子制御4WDを採用。ドライブモードセレクターにより、3つの走行モード(2WD、4WDオート、4WDロック)を選択することができます。

パッケージングも大幅に進化。デリカスペースギアに対し、地上高は20mm増、全高は100mm減としつつも、室内高は逆に100mm増大させるなど、より効率的なパッケージングを実現。また、2列目、3列目シートにロングスライド機構を採用したことで、乗車人数や荷物の量によって、最適な状態に調整することが可能となっています。

装備面においては、「cocochi(ここち)インテリア」を採用。シートにフッ素樹脂をコーティングすることで、撥水性、撥油性を高めたほか、脱臭機能付きクリーンエアフィルターや消臭天井を装備。生活臭やタバコ臭などを低減・抑制し、クリーンで居心地の良い室内空間を実現しています。
  • 三菱 デリカD:5 インパネ|おいしい中古車
  • 三菱 デリカD:5 インテリア|おいしい中古車
  • 三菱 デリカD:5 ローデスト|おいしい中古車
↑インパネは各種スイッチを操作しやすいように配置(左) 2列目3列目も十分にくつろげる空間を確保(中) エアロを巻き、イカツさをアップさせたローデスト(右)

新車時の価格より100万円以上安い!

さて、そんなD:5ですが、登場から3年以上がたち、いよいよおいしい価格帯に入ってきました。例えば、エアロで武装した2.4ローデストSのカスタマイズパッケージA。これの走行3.1万km、修復歴なしの中古車が149.9万円です。新車時の価格が254.1万円なので、100万円以上安くなっています。

バツグンに安いというわけではありませんが、今までの高値安定状態とは大きく変わってきています。これまでD:5がいいと思っても、まだまだ高いからとあきらめていたみなさん、そろそろ考えてみても良さそうですよ。

Text/金子剛士