THE!対決

PART6 アナタにピッタリのタイプを探せ!

Report/島崎七生人 Photo/奥隅圭之
M・ベンツ Cクラス
BMW 3シリーズセダン

アバンギャルドはコンフォートの中にあるスポーティさがいい

万有引力があるように、世の中には物事や人の考えに対し知らぬ間に作用を及ぼす流れ、ないしはそのチカラがあるのだろう。メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズそれぞれの先代にあたるW203/E46時代、それまでのお互いのキャラクターをあたかも交換したかのように、両車の立ち位置に変化が見られたように思えた。

しかし現在のW204/E90では、何かのおぼしめしかどうか、それが再びすっきりと元に戻った気がする。つまりCクラスはあくまでコンフォートが基本、3シリーズはスポーティに、という風に。そこでまず「Cクラスか3シリーズか?」の大きな選択肢を決めたいときには「コンフォートかスポーティネスか」に選択基準を設ければいい。

その上で最新型のCクラスは、ご承知のとおりエレガンスとアバンギャルドの2ラインを、ルックスまで変えて従来より明確に区別してきた。その戦略は注目だろう。新しいアバンギャルドは“メーカー純正”のクーペ顔をもち、走りもメルセデス・ベンツの範囲内では際立ってスポーティに。とくにC300アバンギャルドSなど、足はかなりハードだしエンジン性能も高いから、スペック重視派は納得がいくはず。

反対にコンフォートを望むなら、レポーターが試乗したなかではC250エレガンス(左ハンドル車だった)が、極めて乗り味が滑らかだった。動力性能にも余裕があり、558万円の値付けも費用対効果が高いと実感した。無論、今回も試乗したC200コンプレッサーは、アバンギャルド(460万円)、エレガンス(450万円)ともに、内容を考えればバリュー・フォー・マネーだ。

3シリーズはボディ形状のバリエーションが魅力

一方の3シリーズは、先行して登場した分、すでにバリエーションが豊富なのが大きな魅力。セダン以外にもワゴンボディのツーリング、クーペ、新たに電動メタルルーフを備えるカブリオレと選択肢が幅広い。

もちろんボディタイプをどれにするかは、用途、好み次第だが、カブリオレは、幸運にも予算が充てられる(何しろ783万円!)なら、この上なくパーソナルで上等な車ということになる。
今回のまとめ
現行型3シリーズは’05年にセダンが日本デビューしてから順調にラインナップを増やしている。自分の嗜好や使い方に応じて自由に選べるのが魅力。対するCクラスはデビューしたばかりとはいえ、異なる性格の2種類から選べるという個性的な展開をしている。どれを選ぶかは本当に迷うが、その迷いは決して嫌なものではないはずだ。
今回のテスト車両

■M・ベンツ
Cクラス
・テスト車両
C200コンプレッサー
アバンギャルド
460.0万円
・駆動方式
2WD(FR)
・トランスミッション
5AT
・全長×全幅×全高
(mm)
4585×1770×1445
・ホイールベース(mm)
2760
・車両重量(kg)
1490
・最小回転半径(m)
5.1
・乗車定員(人)
5
・エンジン種類
直4DOHC+スーパーチャージャー
・総排気量(cc)
1795
・最高出力
[kW(ps)rpm]
135(184)/5500
・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
250(25.5)/2800-5000
・使用燃料
無鉛プレミアム
・燃料タンク容量
66L
・10・15モード燃費
(km/L)
11.2
・タイヤサイズ
225/45R17



■BMW
3シリーズセダン
・テスト車両
320i Mスポーツ
453.万円
(※Mスポーツパッケージ含む)
・駆動方式
2WF(FR)
・トランスミッション
6AT
・全長×全幅×全高
(mm)
4525×1815×1410
・ホイールベース(mm)
2760
・車両重量(kg)
1460
・最小回転半径(m)
5.3
・乗車定員(人)
5
・エンジン種類
直4DOHC
・総排気量(cc)
1995
・最高出力
[kW(ps)rpm]
110(150)/6200
・最大トルク
[N・m(kg-m)/rpm]
200(20.4)/3600
・使用燃料
無鉛プレミアム
・燃料タンク容量
60L
・10・15モード燃費
(km/L)
11.4
・タイヤサイズ
225/45R17(フロント)
255/45R17(リア)