ホンダ フィット VS トヨタ ヴィッツ　PART7：ライフスタイルにピッタリなのはどっち？

財布に優しい国産コンパクトはヨーロッパ車にも引けをとらない

ガソリン価格が高値を続け、車を所有し、使うことがますます大変になってきた。そうなると存在感がクローズアップされるのがコンパクトカーだ。今回取り上げたフィットとヴィッツは、そんな国産コンパクトカーを代表する2車である。

2車ともに言えることはクラスレスな実力の持ち主だということ。ひと昔前ならリッターカーなどと呼ばれたこのクラスだが、かつてのようにもう“我慢グルマ”ではないのは嬉しいところだ。エンジン性能は1.3Lでも十分だし、静粛性、乗り味もかつてに比べ格段にレベルアップした。

個性やセンスも磨きがかかった。その口火を切ったのは初代ヴィッツだったが、今の日本のコンパクトカーはどれもお洒落でスタイリッシュで、ヨーロッパのコンパクトカーと並べても決して見劣りしない。

そして何といっても経済性に優れること。燃費のリポートはPART1に掲載しているが、クルマを実用的に乗りこなしたいユーザーにとって、財布（と環境）に優しいことは重要だ。

ヴィッツは人中心、フィットは人も荷物も・・・という人向き

・・・そんな前提条件を踏まえたフィットとヴィッツだが、ではこの2車ならどちらを選べばよいか？

キッパリと断言すると、オールマイティな実用前提ならフィット、人を乗せるなど、より乗用車的な用途がメインならヴィッツ、そう結論しておこう。

フィットでいいのは、まるで小さなミニバンのごとく、フレキシブルに使いこなせること、だ。特に人を乗せる以外の機能の充実度は魅力。ラゲッジスペースは便利なネット付きトノボードを備えるほか、スペース拡大時の容量はたいしたものだし、後席の座面をハネ上げて、床から高さを稼いだ空間も作り出せる。フラッと立ち寄ったインテリアショップで掘り出し物の家具があった・・・などというときも、フィットなら躊躇せず“お持ち帰り”ができる。

一方でヴィッツは、こちらは“小さな快適乗用車”である点が特徴だ。なので普段はパーソナルユースだが、友人、知人、親戚などを乗せる機会にも威力を発揮。フル乗車のリポートでも確認済みなように、乗車人数が増えても乗り味、快適性が損なわれないのは、まるでヨーロッパ製コンパクトカーのような、この車の実力の一端。“人中心”であるのが、こちらのヴィッツの特徴である。