Report / 古賀 貴司

ワイルドだけどジェントルなのがアメ車らしさ

車における国別の個性は、昔ほど強烈ではなくなりつつあります。それは自動車メーカーが自国のみならず、海外市場も視野に入れながら開発しているからです。そんな現状においてもアメリカンな雰囲気や乗り心地を味わえる車って、意外と貴重な存在です。走っている台数も少ないですから、注目されますしね。気になる車は中古車カタログや物件でチェックしてみてください。

第5位はジープラングラー(旧型)。かつてクロカンのことを「ジープ」と呼んでいた人もいるのではないでしょうか?それほどクロカンでは名門なんです。オフロードでの走破性を重視し、実際にものすごいパフォーマンスを披露してくれます。現行モデルは昨年登場したばかりで、まだ高値です。そんな名門の車を手軽に楽しむなら、やはり旧型。オンロードでの乗り心地はお世辞にも褒められたものではありませんが、ワイルドさは唯一無二な雰囲気です。

第4位はフォードマスタング(現行)。現行型は圧倒的人気を誇る初代をモチーフに、現代版として投入してきました。カッコだけで欲しくなってしまう、美しいデザインです。走りは思いのほかしっかりしていて、アメ車から想像する“ゆるさ"は減っています。同じような価格帯で欧州車に乗るよりも、希少価値が高く、街中での注目度も高いでしょう。多くの人が燃費を気にすると思いますが、アメ車だって確実に進化しています。唯一のネックは流通量だけです。

第3位はシボレートレイルブレーザー(現行)。強靭なラダーフレームにボディを載せたSUVは、アメリカンな雰囲気たっぷり。乗り味はジェントルで、思いのほか優雅。悪路走破性に優れているわけでもなければ、欧州勢の高級SUVのようなスポーティさを兼ね備えているわけでもありません。安っぽいプラスチックが気になったり、作りの粗さが気になったりするでしょうが、それは大らかになるための試練です。そのあとには、あくせくした日常からの解脱が待ち構えています。

第2位はクライスラー300C(現行)。ちょっぴりワイルドで、クラシックでアメリカンなデザインが世界中で人気を集めています。M・ベンツと合併していた頃のモデルである300Cは、旧型Eクラスのプラットフォームが採用されています。だからかアメ車っぽい乗り味を残しつつも、意外なほどしっかり走ります。車内の質感も悪くありません。ミドルクラス(ボディサイズも価格帯も)のセダンで、これほどまでに高級感と若々しさを兼ね備えているモデルは少ないかもしれません。

第1位はシボレーアストロ(絶版)。かつて日本には「アストロブーム」がありました。若者たちがこぞって購入し、思い思いのドレスアップを楽しんだ車です。商用車のプラットフォームに、ミニバンの室内をあつらえただけの車。商用車ならではの広さがウケたのでしょう。意外と高くて、当時の担当者にはとても手が出せませんでした。国産ミニバンとは比較にならないほど乗り心地は悪いですが、ワイルドさは健在。しかも今となっては、かなりの安値で流通しています。

フォトコレクション

写真:第5位:ジープラングラー(旧型)

第5位:ジープラングラー(旧型)

写真:第4位:フォードマスタング

第4位:フォードマスタング(現行)

写真:第3位:シボレートレイルブレーザー

第3位:シボレートレイルブレーザー(現行)

写真:第2位:クライスラー300C

第2位:クライスラー300C(現行)

写真:第1位:シボレーアストロ

第1位:シボレーアストロ(絶版)