スバル レガシィツーリングワゴン VS ホンダ アコードツアラー PART.2 走行編
2009/07/15
スバル レガシィツーリングワゴン 走行
主要諸元のグレード:2.5i Sパッケージ | |||||
---|---|---|---|---|---|
サイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4775×1780×1535 | CVT | 水平対向4気筒SOHC | 170 | 23.4 | 13.2 |
どこまでも滑らかかつ自然、走りは上質に
2.5iが搭載するEJ25型・水平対向SOHCエンジンは、16バルブに吸気効率を高める可変バルブリフト機構(i-AVLS)の採用のほか、排気系も等長等爆とシングルマフラーにするなどしている。また“クレードル(ゆりかご)構造マウント”の採用で、振動・騒音にも有利なエンジン搭載方法も採っている。
…と、そんなスペックがたとえ頭になくても、実際の走りは、なめらか、かつ効率重視風…と思える。これは全車に標準のSI-Driveが、デフォルトに“I”モードを設定しているためもあり、常識的な加速を試せば、悠然と走り出すイメージ。CVTも自然な変速を実行している。ところがコントローラーで“S”、“S#”と切り替えると、腕まくりをしたかのようにレスポンスが鋭くなり、ターボでなくても手応えのあるパワー感を堪能させてくれる。
一方で乗り味は「BMWの3から5に乗り替えた感じ」だ。ハンドリングもシャープというより無駄がない、自然の摂理に逆らわない…といったふう。ヴィヴィッドな手応えというより、あくまでも、いつでも破綻せず安定しきって走ってくれる。ロールも自然で、後輪が破綻するような気配もない。
先代BP型でも、かなり洗練された走りっぷりに驚いたが、最新型ではクラスアップ感が強く実感される。よく言えば大人っぽいということになるが、かつてのフラット4らしいあの脈動が懐かしい…といまだに思うのは時代遅れのセンスなのか!?
ホンダ アコードツアラー 走行
主要諸元のグレード:24TL | |||||
---|---|---|---|---|---|
サイズ [mm] |
ミッション | エンジン種類 | 最高出力 [ps] |
最大トルク [kg-m] |
10・15モード燃費 (km/L) |
4750×1840×1470 | 5AT | 直4DOHC | 206 | 23.7 | 11.4 |
淀みのないi-VTECエンジン、スポーティな雰囲気
レガシィから目を移すと、まるでスポーツカーのように低く身構えるアコードツアラー。走りも、そんなルックスからイメージされるとおりのものだった。
走り出して、低・中速域の範囲では、足回りのコツコツ感が伝わる。“濁音”のゴツゴツではないから、スポーツセダン愛好家だったら十分許容範囲。またボディがしっかりしているので、低級なノイズを誘発しているわけでもない。が、乗り味重視派には、もっと足がしなやかにストロークしてもいい、足が入力をイナしてほしい…と感じるかも。
一方でスピードを上げていくと、メキメキと安定してくる。直進性が高く安心感が高いし、乗り味もフラット。なので高速巡航はこの車の得意項目といえる。高速走行域では、ステアリング(電動パワステ)もグンと重めになるが、その領域での操舵感はやや人工的なタッチにも感じる。
206ps/23.7kg-mの性能のK24A型2.4Lエンジンはまったく不満なし、吹け上がりも爽快で淀みなく、i-VTECの面目躍如といったところで、いかにもホンダらしい。しいていえばハイオクガソリン指定(レガシィはレギュラー)なのをどう判断するか、だろう。ATは5速だが、100km/hは2000rpm程度で実に平和だし、より多段化の必要性もあまり感じない。またアイドリング時の音・振動が非常に小さい点も、高級車の雰囲気が出ていて納得させられる。
実は今回のレガシィの試乗車個体は、タイヤの摩耗か足回りのどこかが要調整だったのか、走行中の微振動の発生とタイヤノイズの伝わり方がやや過大だった。ビルシュタイン付きのS Packageの本領が発揮されていないように感じた。そのことを酌んでの判定としては、4WDによる安心感のある走りは、やはりこの車の強み。片やアコードは、スポーティさに、上質感がかなり加わり、レガシィとは方向性が違うが、コチラの走りっぷりにも魅力を感じる。
スバル レガシィツーリングワゴン | 4点 |
ホンダ アコードツアラー | 4点 |
次回はスバル レガシィツーリングワゴンとホンダ アコードツアラーの居住性と実用性&積載能力をチェックするぞ!
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