良い車、面白い車、後世に名を残す車、大集結!

デビュー当初はそこまで騒がれなくても、振り返ってみれば良かった車って結構あるものです。そこで、中古車でしか探せない名車を取り上げたいと思います。絶対的性能に優れた車、エンスー心を刺激するマニアックな車、意外と見逃されている車など、コストパフォーマンスも含めピックアップしてみました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はトヨタセルシオ(絶版)。初代セルシオはデビューから、もう間もなく20年がたとうとしています。トヨタが初めて世界の高級車に打って出たとあって、その肝入りぶりは今乗っても感じられます。本当はM・ベンツEクラスやBMW5シリーズといったミディアムクラスがライバルだったようですが、ワンランク上のフルサイズクラスと比較されてきました。それほどの衝撃があったんです、デビュー当時。今なら10万円からでも狙えて、その世界観は今でも感じられます。

第9位はフィアットムルティプラ(絶版)。マイナーチェンジ前は、物凄いデザインです。このデザインでOKを出すフィアット経営陣は、勇気があります。全長4mちょっとのボディなのに、3人掛けシートを2列配しています。MTしか設定されていなかったことが、一部のエンスーだけにしか売れなかった要因でしょう。実用車としてマジメに作り込まれたパッケージングから察するに、デザインで遊び心を演出したかったのでしょう。走りうんぬんではなく、とにかく和みます。

第8位はアルファロメオアルファGTV(絶版)。コンパクトボディのくせに小回りが利かない、ブレーキタッチが唐突、FF特有のトルクステアが顕著など、文句のつけどころはたくさんあります。でも、だからこその“達成感”をドライバーは味わえます。絶対的性能うんぬんでは語り尽せない魅力が、なぜか漂っているのです。 昨今のアルファロメオは“狙って”セクシーさを演出しているようですが、この頃は“ナチュラルに”セクシーだったように思います。V6が個人的にはオススメです。

第7位はスバルトラヴィック(絶版)。オペルザフィーラはドイツで生産され、同じ車(排気量や足回りは異なる)で違うバッジをまとったトラヴィックはタイで生産されました。両車の価格は100万円近く異なりました。はっきり言って、消費者には嬉しいGMの戦略ミスだったと思います。コンパクトボディながら3列シートミニバンに仕上がっていて、低重心な走りは安定感抜群でした。あの頃は大手自動車メーカーによるブランドの再編真っただ中。時代に翻弄された一台とも言えます。

第6位はダイハツタント(旧型)。本当は三菱のトッポBJが軽自動車におけるトールワゴンの先駆けでした。タントはそのコンセプトをさらにブラッシュアップしたような存在です。デビュー当時のホイールベースは軽自動車最大で、軽自動車であることを忘れさせてくれるような広さと走りをもたらしていました。加速力こそ軽自動車であることを感じさせますが、高速道路での安定性には心底驚かされたものです。担当者、誌面の企画で韓国・釜山まで運転しました。

木曜日には第5位から1位を発表します。

フォトコレクション

写真:第10位:トヨタセルシオ(絶版)|なんでもベスト10

第10位:トヨタセルシオ(絶版)

写真:第9位:フィアットムルティプラ(絶版)|なんでもベスト10

第9位:フィアットムルティプラ(絶版)

写真:第8位:アルファロメオアルファGTV(絶版)|なんでもベスト10

第8位:アルファロメオアルファGTV(絶版)

写真:第7位:スバルトラヴィック(絶版)|なんでもベスト10

第7位:スバルトラヴィック(絶版)

写真:第6位:ダイハツタント(旧型)|なんでもベスト10

第6位:ダイハツタント(旧型)

Report / 古賀 貴司