今までにないコンセプトで登場したスズキの世界戦略車

イタリアの名門フィアット社との共同開発で誕生したスズキの世界戦略車をご存じでしょうか? その名は「SX4」。え、知らない? それも無理はありません。あまり街で見かけませんから。しかし、この車とってもお安いんです。登場からまだ3年もたっていないのに、新車価格の4分の1で販売されている中古車もあるほどです。

登場は2006年の7月。何とも不思議なスタイルが特徴ですが、コンセプトは「クロスオーバーレボリューション」。いったい何のことやらという感じですが、リリースを見ると、コンパクトカー市場に革命を起こすことを目的とした“スポーツコンパクトの走り”と“SUVの機動性”を融合させた、新しいジャンルの「スポーツクロスオーバーハッチバック」ということです。
  • スズキ SX4 走り(フロント)|おいしい中古車
  • スズキ SX4 外観(リア)|おいしい中古車
↑張り出したフェンダーアーチとルーフレールがSUVっぽさを醸しながらも、SUVにありがちな大柄ボディではなく、全長4115mmとコンパクト(左右)
エンジンは直4の1.5Lと2Lの2本立て。ミッションは全車4ATとなっています。2009年の5月には一部改良が行われ、2Lエンジン搭載グレードがなくなったり、フロントグリルがメッシュに変わるなどしていますが、こちらはほとんど物件がないので残念ながら蚊帳の外という感じです。

個性的なスタイルに注目が集まりがちですが、装備の充実っぷりには目を見張るものがあります。ざっと挙げると、夜の走行で頼りになるディスチャージヘッドライト、リモコンを身につけているだけでドアの施錠や解錠、エンジンの始動ができるキーレススタートシステム、本革巻きステアリングホイール、オートライトシステム(すべて1.5Eを除く)、8スピーカーシステム(全車)などが標準装備。あると嬉しい装備がほとんど標準で付いているのです。

また、ユーティリティの面では、後席が前席に比べ55mm高くなっているため、後席に座る人でもあまり視界を遮られることはありません。走りの面に関しては、2L車には17インチ、1.5L車は16インチのタイヤとなるほか、2.0SにはESPまで装備されています。さらに安全面においては、1.5Eを除くグレードにサイド&カーテンエアバッグが装備されるなど、上級サルーンに負けない装備内容となっています。
  • スズキ SX4 インパネ|おいしい中古車
  • スズキ SX4 シート|おいしい中古車
  • スズキ SX4 スピーカー|おいしい中古車
↑コンソールにサテンメッキをあしらい、シート表皮には黒地の奥からシルバーが光るレイヤード織りを採用(左・中) 全グレードに8スピーカーが奢られる(右)

ESP搭載グレードが39.5万円!

しかし、いくら優れた車といえども、中古車は人気市場。人気がなければ当然相場も下がります。驚くべきことに、このSX4、もう50万円以下で売られています。例えば、ESPまで付いている上位グレードの2.0S。これが修復歴はありますが、走行距離2.8万kmの物件が39.5万円で売られています。当時の新車価格が183万円ですから、4分の1以下。140万円以上安いわけです。

今ならまだ新車保証もギリギリ継承できるこのオトクな一台、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか?

Text/金子剛士