スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!

セクシーな鈴木京香が華麗なドライブテクニックを披露!

陽気なギャングが地球を回す|映画の名車
(C)2006「陽気なギャングが地球を回す」製作委員会
今回は、人気作家の伊坂幸太郎の同名小説を、『パコダテ人』の前田哲監督が2006年に映画化した『陽気なギャングが地球を回す』を紹介する。この映画は、邦画とは思えないスタイリッシュさと、突き抜けた軽快さで楽しませてくれる娯楽作品になっている。

他人の嘘を察知する男(大沢たかお)、超正確な体内時計をもつ女(鈴木京香)、口から生まれたかのように弁の立つ演説男(佐藤浩市)、若き天才スリ師(松田翔太)…。偶然出会ったこの4人はロマンあふれる銀行強盗を計画、まんまと5000万円弱の大金をせしめるのだが、突如現れた謎の男たちにあっさり横取りされてしまう。なぜ計画はバレたのか? 金を取り戻すことはできるのか?

二転三転するスリリングな犯罪映画ではあるが、ダークな側面はバッサリと削ぎ落とされ、ポップさを前面に押し出している。なにせ主人公たちは原色バリバリのドハデな格好で街をうろつき、ストライプのスーツで銀行を襲うのである(カムフラージュという言葉は本作に存在しない)。お洒落ギャングたちを華麗なドライブテクニックで西へ東へ運ぶのは、鈴木京香演じる雪子。普段は自動車教習所の教官で、男子生徒たちの熱い視線を浴びているという設定だ。

そんな雪子が次々にセクシーな衣装に着替えてくれるのと、世界の名車を次々に乗り回すのが本作の大きな楽しみの一つ。なかでも真っ赤なアルファロメオ155が狭い路地を曲芸走行で爆走する冒頭のカーチェイスは一見の価値アリ。CGと実写の融合が素晴らしい。反対に、赤い1959年式キャデラックで砂漠の一本道を爆走する爽快なラストシーンは合成ではなく、このシーンのためだけにアメリカロケを敢行して撮影されたそうで、なんとも贅沢な作りとなっている。

陽気なギャングが地球を回す|映画の名車
(C)2006「陽気なギャングが地球を回す」製作委員会
「陽気なギャングが地球を回す プレミアム・エディション」好評発売中! 06年・日本 監督=前田哲 出演=大沢たかお、鈴木京香、松田翔太、佐藤浩市、大倉孝二、加藤ローサ、古田新太、大杉漣、篠井英介、松尾スズキ、光石研ほか 販売元:ジェネオン エンタテインメント 4,935円(税込)

+++映画に登場する車たち+++

アルファロメオ 155

陽気なギャングが地球を回す アルファロメオ 155|映画の名車
フィアット系3社のセダン開発プロジェクト、ティーポ3により開発され、1992年から1997年にかけて販売された。各国のツーリングカー選手権で大活躍し、1992年にはイタリア、1993年にはドイツ、1994年にはイギリスを制した。左ハンドル、MTのみで生涯を通した硬派。

キャデラック(1959年式)

陽気なギャングが地球を回す キャデラック|映画の名車
キャデラックとは、言わずと知れたゼネラルモータース社の高級ブランド。写真はおそらくエルドラードだと思われる。大排気量+巨大なロケットテールフィンは、まさに強いアメリカの象徴的存在であり、豪華装備仕様でセレブたちがこぞって乗り回した。
Text/伊熊恒介