スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!

転職先は殺し屋組織!? 究極の自分探しムービー

ウォンテッド|映画の名車
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『ウォンテッド』2008年・米 監督:ティムール・ベクマンベトフ 出演:ジェームズ・マカヴォイ/アンジェリーナ・ジョリー/モーガン・フリーマン/テレンス・スタンプー/トーマス・クレッチマン/コモンほか 発売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント 4,179(税込)
グーグルで自分の名前を検索したことある人、手をあげて。ハイ、全員ですね。アレって、ついついやっちゃいますよね。「どこかで誰かが自分のことを見ていて、高く評価してくれていたり、褒め殺してくれたりしていないかな!? 」なんてワクワクしつつ。でも、特に何も引っかからずにガッカリしたりして。それでも時々やってしまう。そんな魔力にあふれている自分検索…。今回紹介する『ウォンテッド』の主人公、ウェスリー・ギブソン君(ジェームズ・マカヴォイ)も、お仲間の一人。

でっぷりと脂の乗った100kg超級の女上司に毎日なじられながらのサラリーマン生活に、もううんざり。「なんで自分はここにいるのだろう!? もしかしたら本当の自分がどこかにいるかもしれない!! 」と、グーグルに自分の名前を打ち込んでみるも「No Results(検索結果0件)」。そこへ現れた謎の美女・フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)。彼女は、ウェスリーが生まれて1週間後に失踪した父親が実はスゴ腕のヒットマンで、裏切り者に昨日殺されたと告げる…。

コメディ映画のようにダラッと始まった序盤から一転、ドラッグストアでの銃撃戦からアンジーが真っ赤なダッジバイパーを縦横無尽に操る暴走モードに突入。これが常識では考えられない異次元アクションでドギモを抜かされること必至。アンジーが体操選手並みに体をしならせ、足でハンドルを操作しながら銃を乱射しまくるのはまだしも、警察車両に道をふさがれているのを見てバイパーの側面から体当たりをかまし、くるくるとウルトラCを決めて切り抜けるという離れ技には開いた口がふさがらなかった。

その後は父親の仇を討つべく、ウィスリーが秘密組織で過酷な修業を積むことになるのだが、これまた一筋縄でいかない虎の穴が待ち受ける。気絶するまで殴られたり切り刻まれたりしながら、父親から受け継いだ特殊能力を徐々に開花させていくのだ。でもってキモとなるのが深い傷も1日程度で完全に癒してしまう回復風呂。時には隣で入浴しているフォックスの素晴らしいオシリまで拝めちゃったりして、眼福眼福。

やがていっぱしの殺し屋としてデビューしたウェスリーは、父親を殺した憎き男・クロスの手がかりをついにつかむのだが、そこで衝撃的な事実を知ることになる。ここからの展開は少々腑に落ちない点もあるのだが、詳細を書くのはネタバレになるので控えておこう。本作はもともとマーク・ミラーの人気グラフィック・ノベルを、ロシア人監督のティムール・ベクマンベトフの手で実写化したもの。壮大なストーリーだけに説明不足も否めないが、とりあえず細かいところは引きずらずに楽しんでほしい。続編が決定(3部作になる予定)しているので、2作目、3作目と見ていくことでガッテンがいくことになるのだろう。

うだつの上がらない宮仕えから超刺激的な殺し屋稼業へと華麗なる転職(しかも絶世の美女の導きで!!)を遂げるウェスリーの活躍を見て、「俺も自分を探してみよう!! 」と触発されたアナタ。映画のように向こうから本当の自分がやってくるなんてことはありえないので、くれぐれも勢いで辞表を叩きつけることのないよう、お気をつけを!!

映画に登場する車たち

ダッジ バイパー

前半戦最大の見せ場であるフォックス(アンジェリーナ・ジョリー)とクロス(トーマス・クレッチマン)のカーチェイス。ペットフード運搬用の中型トラックで追いかけてくるクロスに対して、フォックスは真っ赤なダッジバイパーで逃走を図る。ダッジバイパーはクライスラーが1991年から販売しているスポーツカー。エンジンはV10、排気量は8L、最高出力は450馬力、最大トルクは67. 7kg-m! トランスミッションは6速マニュアル、駆動方式は後輪駆動、車両重量は1590kg、1馬力が負担する車両重量は3.5kgに過ぎず、動力性能はとてつもない。そんなモンスターマシンを、あのアンジーが華麗にドライブしながら、障害物があろうがお構いナシにガッツンガッツンぶっ飛ばし、途中からは足でハンドル操作をしながら体を乗り出して猛反撃!! 久しぶりにエロワイルド全開なアンジーを見られて大満足。

アウディ Q7

殺された父親が暗殺組織“フラタニティ”のリーダー的存在で、自分が正統な後継者だと知ったウェスリーは、運命に身を任せることを決め、メタボな女上司を罵倒し、ムカつく同僚をパソコンのキーボードでぶちのめして会社勤めとおさらばした。ビルの前には大きな黒い車が停まっていて、颯爽と出てきたウェスリーをフォックスが迎え入れる…。そんな胸のすくシーンで印象的に登場するのがアウディ初のSUV、Q7だ(日本では2006年10月より販売開始)。アウディ自慢のクワトロシステムを搭載し、シートは3列で定員は7名。エクステリアのデザインを和田智が手がけたことでも有名である。ドッシリとした高級SUVがビジネス街に入り込むと妙な威圧感を放ち、サングラスをかけたアンジーとの相性もバッチリ。ただし、どうやら盗難車のようで、鍵穴にはナイフが突き刺さっております…。

Text/伊熊恒介