▲ニューヨークにあるフォーダム大学のアニー・アナスタシー氏は、大好きな趣味を持ち、それに没頭できる人は創造的で芸術家肌であるという研究結果を発表。アナスタシー氏は、一般的な趣味についての分析を行ったが、これは車にも当てはまるのではないだろうか。車が趣味と公言して、一般的な範疇を超えて没頭する人は、芸術家肌である可能性が高いと考えられる ※写真はイメージ ▲ニューヨークにあるフォーダム大学のアニー・アナスタシー氏は、大好きな趣味を持ち、それに没頭できる人は創造的で芸術家肌であるという研究結果を発表。アナスタシー氏は、一般的な趣味についての分析を行ったが、これは車にも当てはまるのではないだろうか。車が趣味と公言して、一般的な範疇を超えて没頭する人は、芸術家肌である可能性が高いと考えられる ※写真はイメージ

車が趣味! その方向性で性格がわかる

「趣味は車」、「車が好き」という人は少なくない。といっても、その傾向は人それぞれ。スピードにこだわる走り屋系もいれば、自動車雑誌やカタログを眺めるのが好きという人もいる。中には、愛車に名前を付けて溺愛している人も。これら、車好きの深層心理にはどういうものがあるのか。心理学者の内藤誼人先生に話を聞いた。

「速く走ることに楽しみを見いだすタイプは、リスク追求型の性格です。そのリスクを含めて楽しんでいることがある。比較的、短気で怒りっぽい人が多いですね」

では、車を持っていないのに、雑誌やカタログなどを読んで満足している車好きはどうなのだろう。

「これは、大前提として知識欲が高い性格である可能性が高い。そもそも、調べることが好きなんです。それに加えて、その車が欲しいという心理が根底にあるはず。好きな女性のことをより知りたくなる心理と同じです。ちなみに、女性誌を見ながらモデルに憧れ、いつかそうなりたいと思う女心も、基本的には同じ心理ですよ」

車に名前を付けてしまう心理とは?

憧れが叶って、自分の車を手に入れたら、名前を付けて溺愛する。そんな車好きの心理も気になるところだ。

「擬人化すること自体は、日本人にとっては普通の行為。実は、車に名前を付けて擬人化するのは、特に日本人に多い感覚なんです」

確かに、最近は様々な事象を美少女キャラで擬人化するコンテンツが流行っている。いったい、なぜ日本に多いのだろう。

「日本には古来からアニミズム信仰があり、巨大石や山、川など、自然に存在するものすべてに神が宿るとして崇拝していました。八百万の神の原型ですね。ここから、車もただの物ではなく、神が宿る=人格を持つものとして捉えやすいのだと思います」

ちなみに、小さい物よりも大きな物の方が人格を反映しやすいという。例えば、川などは利根川の坂東太郎、筑後川の筑紫次郎などの大河の方が、擬人化されることが多い。

▲霊峰富士に代表されるように、その土地の大きな山は信仰の対象になっている ▲霊峰富士に代表されるように、その土地の大きな山は信仰の対象になっている

「そういった意味では、車は日常生活で使用する物の中では、かなり大きな部類。擬人化もしやすかったのでしょう」

ひと口に車好きといっても、その方向性は性格によっても変わるようだ。今度、「車が趣味」という人に出会ったら、もう少し突っ込んで話を聞いてみると、その人の内面も見えてくるかもしれないぞ。

【取材協力(敬称略)】
内藤誼人(ないとう・よしひと):心理学者、アンギルド代表、立正大学客員教授。心理学を応用した実践的なノウハウに着目した著書多数。近著に『同性にモテる技術』 (中公新書ラクレ)、『人はなぜ、「そっち」を選んでしまうのか』(青春出版社)など

text/コージー林田