▲「車をコロコロと乗り替える男は浮気性?」とは本当なのだろうか ▲「車をコロコロと乗り替える男は浮気性?」とは本当なのだろうか

車を頻繁に乗り換える深層心理とは?

車を買い替えたときに友人に言われた一言、「車をコロコロと乗り替える男は浮気性だっていうよね」。そのときは、コロコロと乗り替えるほど裕福じゃないし、浮気性でもない!などと反論して笑い話で終わったが、友人の言葉は巷ではよく知られたこと。「頻繁に乗り替えられる経済的余裕があるから、浮気もできるのかな」なんて思っていたが、実はもっと深層心理に関わる話なのだとか。

心理学者の内藤誼人先生によると「車の扱い方や運転で性格がわかる」という。一体どういうことなのだろう。

「ユタ大学のラッセル・ベルク博士の研究によると、自分の所有物は自分の分身のような気持ちを抱くことが分かっています。これを“延長自我”と呼ぶのですが、これは車にも当てはまります。自らの分身をどのように扱うかで、その人の性格がわかるんです」

なんでも「おもちゃを大事にしなかった子供は飽きっぽく、大人になって仕事が長続きせずに職を転々としやすい」といったデータもあるそう。

「車も同じで自分の延長。車をコロコロ変えるのは飽きっぽい証拠です。そこから、浮気性が多いという話が生まれたのでしょう」

延長自我から考えると、大きくてゴツい車に乗る人は自分を尊大に見せたいと思っているし、スポーツカーに乗る人は、他人よりも速い性能を求めるという意味で、負けず嫌いの部分がありそうだ。

「当たり前の話ですが、運転が乱暴な人は性格も乱暴なことが多い。車に乗ると性格が変わる人がいますが、車に乗ったときの性格こそ、本来の人格であることがあります」

あの都市伝説の真相はシフトレバーの操作と関係していた!?

ちなみに、下世話な話だが「運転が上手いと夜の営みも上手い」なんて都市伝説がある。これも延長自我が関係しているのだろうか?

「上手い下手の関係はわかりませんが、そのウワサは延長自我というより、左手が関係しているのではないでしょうか。実は、左手が器用なほど女性を満足させる傾向が高い、という調査結果があります。例えば、左手で器用に鉗子を使う外科医などは、その傾向が高いとも言われています。日本車もシフトレバーは左手を多用するので、マニュアル車が多かったころに生まれた都市伝説なのかもしれませんね」

▲右ハンドルではシフトレバーの華麗な操作。左ハンドルの場合は、絶妙なステアリングワークを実現する左手の動きが関係しているのかも ▲右ハンドルではシフトレバーの華麗な操作。左ハンドルの場合は、絶妙なステアリングワークを実現する左手の動きが関係しているのかも

車の選び方や運転で見えてくる意外な心理。普段は地味なのに派手なボディカラーの車に乗っていたり、おとなしめの性格なのに押し出しの強い車に乗っていたりする人などは、本質的な性格を理解して付き合えば、より円滑な人間関係が築けるのかもしれない。

【取材協力(敬称略)】
内藤誼人(ないとう・よしひと):心理学者、アンギルド代表、立正大学客員教授。心理学を応用した実践的なノウハウに着目した著書多数。近著に「同性にモテる技術」 (中公新書ラクレ)、「人はなぜ、「そっち」を選んでしまうのか」(青春出版社)など

text/コージー林田