首都高速横浜環状北線のシールドトンネル工事現場を公開
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2014/06/10
首都高速道路が「横浜環状北線」の建設現場を公開した。K1横羽線の生麦JCTと、第三京浜道路の港北ICを結ぶ路線で、路線延長約8.2kmのうち約5.5kmが「シールドトンネル」というトンネル区間で構成される。完成は2016年度の予定だ。
シールドトンネルは地中をモグラのように横へ掘り進める工法で作られ、地下鉄や地下放水路の建設に使用されることが多い。道路では首都高速C2山手トンネルや東京湾アクアトンネルなどがシールド工法で建設されている。地上への影響をほとんど与えることなく、工事が行えるのが利点だ。
今回は途中に建設される新横浜出入口(仮称)付近の発進立抗から入った地点での公開となった。横浜環状北線では、外径約12.5m、長さ約11.5m、重さ約2000トンの巨大なシールドマシン2機が、上下2本のトンネルをそれぞれ1日24m(最速時)のペースで掘削。現在では子安台換気所までの全線で掘削が終了し、シールドマシンの解体作業に入っている。
トンネルの内周は耐火性に優れた、幅2m・厚さ0.4mのセグメントと呼ばれる曲線状のブロックで構成。トンネル内は上下2段に分かれており、上部は通常の走行路として、下部は緊急時の避難路として使用される。避難路への入口にはすべり台が設置されている。
今回の工事は、約135万m3(およそ東京ドーム1杯分)の土砂が掘削され、道路や河川など公共用地の下ではなく、ほぼ全線が民地の下を通るという特殊なものとなっている。新幹線や地下鉄など、重要構造物とも交差。もっとも近接した場所では、わずか3.8mの距離を通っているという。
横浜環状北線が開通すると、第三京浜沿線や新横浜地区と、羽田空港や横浜港など湾岸部のアクセスが飛躍的に向上する。さらに、将来的には港北ICと東名高速横浜青葉ICを結ぶ「横浜環状北西線」も計画されており、渋滞の多い横浜市北東部の環境改善が見込めそうだ。
- 横浜環状北線(首都高速道路)