今、三輪車がちょっとだけ熱い。といっても、子どもが乗るアレではない。トライクをはじめとした、大人が楽しめる三輪モビリティだ。トライクとは、その多くはバイクをベースに改造した三輪車のことを指す。改造とはいえ完成度は高く、多くの愛好家が存在し、ヤマハのドラッグスターやVMAX、ホンダのゴールドウイングなどがベース車として人気を博している。

なかでも圧倒的な人気なのがハーレーダビットソンをベースにしたトライクだ。圧倒的なブランド力に迫力のあるフォルム、独特のエンジン音など魅力を上げればキリがない。そして今回、ついにそのハーレーダビットソンが純正のトライク「トライグライドウルトラ」を発売することで、大きな話題になっているのだ。

バイクとよく似たトライクだが特性は大きく異なる。例えば車重が重い点や、三輪であるが故にバイクと同じ感覚でカーブを曲がることができない点が挙げられるだろう。その点、「トライグライドウルトラ」はバイクをベースに三輪に改造した車両とは違い、重量と操舵を意識し専用設計されたフレームとシャシー構造を持つため快適なツーリングを味わえるとのこと。

ちなみに、道路交通法ではトライクは普通自動車に区分されており、普通自動車免許で運転ができる。そのためヘルメットの着用義務はない(ただし、メーカ側は着用を推奨している)。ハーレーには憧れるけれど大型二輪免許を持っていないという人でも、「トライグライドウルトラ」であればハーレー独特の乗り味を楽しむことができる。

車両本体価格は400万4000円~となかなかのお値段。しかし、道路運送車両法での車両区分は「小型自動車(二輪)」として登録されるので、自動車よりも税金が安く、有料道路区分も二輪車と同様の料金が適用され、ランニングコストは抑えることが可能だ。

それでも、「ハーレーは少し高すぎるよ」という人には、カナダ・BRP社が発売した「Spyder RT」などはどうだろう。こちらは、前2輪、後1輪のトライクで、パワステやバックギア、クルーズコントロール、走行姿勢を安定させるトラクションコントロールなど、自動車の技術が数多く搭載されている。もちろん、こちらも普通自動車免許での運転が可能。ちなみにお値段は、ハーレーよりも200万円ほど安い、198万4500円~だ。

普通自動車免許では運転できないが、よりバイクに近い乗り心地とお手頃な価格での販売が予定されている三輪モビリティがヤマハの「TRICITY Concept」。こちらも前2輪、後1輪で、昨年の東京モーターショーでも話題となった。こちらはお値段40万円ほどと予想されている。

もしかすると2014年は、さらにトライク熱が高まって、大人の三輪車ブームが到来するかも!?

「トライグライドウルトラ」のエンジンは1689cc。ブルートゥース、USB接続によりスマートフォンをオーディオに接続できる。2014年2月1日発売

「トライグライドウルトラ」のエンジンは1689cc。ブルートゥース、USB接続によりスマートフォンをオーディオに接続できる。2014年2月1日発売

排気量は1330cc。BPR社はスノーモービルや水上オートバイなどを製造するカナダのメーカー。2013年11月より販売が開始されている

排気量は1330cc。BPR社はスノーモービルや水上オートバイなどを製造するカナダのメーカー。2013年11月より販売が開始されている