東京都世田谷区はご当地ナンバー「世田谷」ナンバーの新設について、区民や区内事業者を対象としたアンケートを実施し調査結果を発表した。世田谷ナンバーの新設について賛成は79.3%で、反対の15.2%を大きく上回った。

自動車のナンバープレートは、基本的に管轄する地域の運輸支局名が記されているが、2006年10月から一部の地域で独自の地名を定めた「ご当地ナンバー」が導入されている。現在は導入当初からある17の地域と、後に導入された「つくば」「富士山」合わせた計19のナンバーがある。

国土交通省は全国各地からの要望を踏まえて、新たなご当地ナンバーの公募を6月28日まで行っており、来年度には導入する予定だ。現在のところ埼玉県の「川口」が既に申請済み。「世田谷」のほか、岩手県の「盛岡」、群馬県の「前橋」、神奈川県の「鎌倉」などが協議会を発足させるなどの取り組みを行っている。

ご当地ナンバーの対象基準としては、当該地域の自動車の数が10万台を超え、原則として単独の市区町村(区は特別区)ではなく、複数の市町村の集合体であることなどがある。また、地域住民の具体的なニーズや、地域振興・観光振興など活用方策が明確に示されているなどの条件がある。

現在、世田谷区は「品川」ナンバーの地域だが、導入が実現した場合は新たに登録された自動車から順次「世田谷」ナンバーに切り替わり、「品川」ナンバーを選択することはできなくなる。既に登録されている自動車は、希望すれば有料で「世田谷」に交換することが可能だ。

世田谷区は登録自動車の台数は10万台を上回っているものの、区単独での申請となるため、対象基準を満たしていないこととなる。「仙台」や「堺」が単独市で認められた前例から、世田谷区では例外として認められると見込んでいるが、仙台市も堺市も政令指定都市であり、国土交通省の判断次第となりそうだ。

また地域住民のニーズという面では、今回のアンケートは有効回収率が50.3%と低く、回答した区民の年齢も60代以上の高齢者が73.9%と極端に多いなど偏りが見られた。導入されるまでには、まだハードルがありそうだ。

世田谷区は、「世田谷ナンバーを実現する会」とともにチラシの配布を行うなど、導入実現に向けて積極的な活動を展開している(世田谷区)

世田谷区は、「世田谷ナンバーを実現する会」とともにチラシの配布を行うなど、導入実現に向けて積極的な活動を展開している(世田谷区)

現在「ご当地ナンバー」は、図表の18ヵ所に「富士山」を加えた計19ヵ所で導入されている(国土交通省)

現在「ご当地ナンバー」は、図表の18ヵ所に「富士山」を加えた計19ヵ所で導入されている(国土交通省)