車載以外でも利用価値が高いEVのリチウムイオンバッテリー

ホンダ EV-N|日刊カーセンサー
日産自動車とフォーアールエナジー社(日産自動車と住友商事が共同出資)は、太陽光発電と日産リーフ用リチウムイオンバッテリーを組み合わせた電気自動車用充電システムを開発しました。現在、日産自動車のグローバル本社で実証実験が開始されています。

日産リーフに搭載されるリチウムイオンバッテリーは、24kWh(編集部注:24kWの電力を1時間使用したときの消費電力量/発電電力量)の大蓄電容量を有しており、フル充電なら日本の一般家庭(平均的電力使用量10~12kWh/日)の約2日分の電力をまかなうことが可能です。


昨今注目を集めている太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、発電量が時間や天候により変化するため、電力を安定的に供給するためには蓄電が鍵となります。一方でリーフの普及にともない、今後はEV駆動用電源として役目を終えたリチウムイオンバッテリー(中古バッテリー)が増加すると予想されています。

この2つを組み合わせる、つまり中古バッテリーの2次利用が今回発表された実証実験のポイントとなります。

日産グローバル本社のシステムは、商業/公共施設を視野に入れた中規模蓄電システムですが、一般家庭用の小型システム(6~24kWh、1日分の電力量をカバー)の開発もすでに行われており、2011年末頃に家庭用小型システムのモニター販売(価格未定)がスタート予定です。

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日産グローバル本社4階の電気室に設置された蓄電装置。リーフに搭載されているリチウムイオンバッテリーパックが4個組まれています。大きな加工をせずバッテリーパックごと装填できるとのこと(左)

日産グローバル本社1階、日産ギャラリー内にあるディスプレイには、現在の日照量や発電量、蓄電量など電気自動車用充電システム(太陽光EV充電ステーション)のシステム稼働状況が表示されます(右)

Text/カーセンサー編集部