トヨタ 86▲地を這うような超ワイド&ロー・スタイル。海外のユーザーからも早速注目されているそう

まるでアニメの世界から飛び出してきたような……

2020年1月10日~12日まで千葉県にある幕張メッセ行われていたチューニングカーの祭典『東京オートサロン2020』。展示車両の中で「あっ!」と驚くようなカスタムが施された車両にフォーカスしレポートする。

派手なカスタムカーが集う東京オートサロン2020の会場でも、一際目立っていたマシンがコチラ。

エアロパーツやローダウン用サスペンションパーツなどのメーカーとして知られる326POWERが手がけた86だ。

フロント150mm・リア200mmワイドというオリジナルワイドフェンダーは特大の張り出し量もさることながら、独特のエッジを利かせたデザインが存在感抜群。

写真で見ると、まるで3Dアート? ポリゴングラフィック? と我が目を疑ってしまうほど現実離れしたスタイルだ。

トヨタ 86 ▲フロントフェンダーは150mmワイド。もはやノーマル86の面影はほとんどない

326POWERスタッフによると「ガチャバリWIDEというブランド名で展開している製品なので、その名に負けないよう、とにかく派手に、ガチャガチャと賑やかなスタイルに仕上げました」とのこと。

パーツ開発時、製作途中の様子をSNSにアップしたところ、最初はブーイングの嵐(!)だったそうだが、完成に近づくにつれて賞賛へと評価が移り変わっていったという……。

加工精度の高さやカスタムへの配慮にも注目

オーバーフェンダーなどはまるでスムージングしてあるかのようなフィッティングの良さだが、ほぼすべてボルトオンによる装着。国内製造品なだけあって恐るべき加工精度の高さだ。

またフェンダーのアーチ部分については通常、3cmほどの高さのところ、こちらの製品では「アーチ上げ」用に5cm確保。

「アーチ上げ」とは大径ホイールの装着やローダウンに合わせてアーチ部分をカットすることで、クリアランスをぎりぎりまで詰めるカスタマイズのテクニック。

カットしても強度が十分に保たれるよう、アーチ部分はFRPを4重に貼り合わせた構造としている。

トヨタ 86 ▲リアフェンダーは200mmワイド。アーチ部分をカットして調整できる仕様となっている

さらに、分割構造のように見えるフェンダーのダクト部分についても、実は一体成型で、部品の強度、精度と装着の容易さを両立。

デザインこそエキセントリックだが、作りは驚くほどに丁寧なのである。

トヨタ 86 ▲ダクト部分もなんと一体成型、色を塗り替えることで(出荷時は白ゲル仕上げ)、別体構造にように見せられる

「カスタムカーショーというと、どうしてもワンオフ製作したデモカーが注目されがちですが、この車に装着されているパーツのほとんどは、当社がすでに市販している製品。市販パーツでもここまで勝負できる、ということを証明したかった」という326POWER。

その心意気が十分に伝わってきた1台である。

トヨタ 86 ▲リアスポイラーに入ったロゴまでエンボス加工になっている、こだわりよう!
トヨタ 86 ▲フロントビューだけでなく、リアから眺めた姿も迫力満点だ
トヨタ 86 ▲ホイールは326POWERオリジナルの「ヤバKING」クリアグリーン仕様。メッシュ・タイプとスポーク・タイプが左右それぞれに装着されていた

- 車両スペック -
■排気系
マフラー:NEO PROJECTワンオフ製作

■外装関係
エアロキット名:ガチャバリWIDE+3D☆STAR
ボディカラー:キャンディーレッド
使用パーツ:
ガチャバリWIDEフロントフェンダー(150mmWIDE)
ガチャバリWIDEリアフェンダー(200mmWIDE)
3D☆STARフロントアンダースポイラー
3D☆STARサイドステップ
3D☆STARサイドフラップ
3D☆STARリアアンダースポイラー
3D☆STARフォグランプアタッチメント
3D☆STARリアアンダースポイラー

■内装関係
ステアリング:ラリークイック

■サスペンション
サスキット名:チャクリキDAMPER
ブレーキ:ガチストップ

■ホイール
ホイールメーカー・名称:326POWERヤバKING MESH・SPOKE
サイズ(F):18×12.5J-59
サイズ(R):18×12.5J-59

文/田端邦彦、写真/稲葉 真

田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。