▲昨年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーのTOP10はバラエティに富んだ顔ぶれでした ▲昨年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーのTOP10はバラエティに富んだ顔ぶれでした

中古車ならではの“バラバラ”な顔ぶれ

カーセンサーnetに掲載された中古車物件に対するユーザーからの問い合わせに注目し、その年の人気車種を決めるカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー。昨年、2014ー2015年の上位10車種を、今一度、振り返ってみましょう。

1位 マツダ CX-5(現行型)
2位 マツダ RX-8(初代)
3位 日産 リーフ(現行型)
4位 ミニ ミニ(初代)
5位 スバル レガシィツーリングワゴン(3代目)
6位 三菱 パジェロミニ(初代)
7位 スズキ ハスラー(現行型)
8位 BMW 3シリーズ(旧々型:E46型)
9位 スバル レガシィツーリングワゴン(4代目)
10位 ホンダ オデッセイ(2代目)

ご覧のとおり、新旧、国産/輸入車はもとより、様々なパワートレインやボディタイプが入り乱れる、非常にバラエティに富んだ(全くまとまりのない)顔ぶれです。1998年に生産終了した初代パジェロミニと2014年デビューのハスラーがTOP10に顔を揃えること自体、わけが分かりません(笑)。でも、これが中古車なんです。これがカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーなんです。

「保守的」だった昨年の傾向

こんなハチャメチャなTOP10の顔ぶれも、よーく目を凝らしてみると、ある種の傾向が見えてきます。この「目の凝らし方」は、今年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーを10倍楽しく見る方法にも繋がるので、簡単に説明しておきましょう。

ポイントはズバリ、以下の4つ。
①手頃な価格(平均価格50万円前後)
②適度な選択肢(流通量400台前後)
③飛び抜けた存在感
④抜群の定番感

昨年、TOP10にランクインしたモデルは、上の4つのいずれか(もしくは複数)に該当します。2位のRX-8は、「手頃な価格」と「適度な選択肢」、そしてロータリーエンジン搭載の4ドア(しかも観音ドア)クーペという「飛び抜けた存在感」の3連コンボ。中古スポーツクーペというジャンルに絞れば、「抜群の定番感」すら備えていると言えるでしょう。

初代ミニ、3代目レガシィツーリングワゴン、初代パジェロミニ、E46型3シリーズ、2代目オデッセイも、「手頃な価格」と「適度な選択肢」、「抜群の定番感」を備えています。このような角度から見れば、昨年のTOP10の顔ぶれは、非常に“保守的”な傾向にあったと言えます。

「保守的」な傾向から外れた車種もあります。1位のCX-5、3位のリーフ、7位のハスラーです。いずれも現行型で相場も高値安定で、中古車としてはまだまだ旨味が出ていません。それでも上位に食い込んだのは、おわかりのとおり、その「飛び抜けた存在感」です。

CX-5は別記事(関連リンク参照)で詳しく解説しているので割愛しますが、リーフが3位に入った理由も、概ねCX-5と同じでしょう。2014年1月に登場したハスラーは、今でこそ供給が潤沢ですが、当初は新車の納車が半年待ちになるくらい人気が爆発しました。その影響が中古車マーケットまで及んだことが、TOP10入りした最大の理由です。
 

▲2003年4月~2012年6月に生産されていたRX-8。「手頃な価格」と「適度な選択肢」、「飛び抜けた存在感」がランクインした理由でしょう ▲2003年4月~2012年6月に生産されていたRX-8。「手頃な価格」と「適度な選択肢」、「飛び抜けた存在感」がランクインした理由でしょう
▲2014年1月発売ながらTOP10に食い込んだハスラー。12月16日時点の物件数は約1700台で、この1年でかなり豊富になりました ▲2014年1月発売ながらTOP10に食い込んだハスラー。12月16日時点の物件数は約1700台で、この1年でかなり豊富になりました

守りから攻めへ、中古車選びも変化する!?

中古車最大のメリットは、低予算でも車を選べる/買えること。したがって、今年のカーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤーでも、「手頃な価格」で買えるモデルが上位に入ってくることは間違いないでしょう。ただし、ポイントは「抜群の定番感」とコンボになるか、つまり保守的な傾向が出るかどうかです。

別記事でも触れましたが、今年の日本・カー・オブ・ザ・イヤーでは、数ある魅力的な車の中からマツダ ロードスターがイヤーカーに選ばれました。この結果は、車選びの気分が守りから攻めへ転じた兆しだと捉えるのは、考えすぎでしょうか? 果たして、中古車でも「攻め」の傾向が見られるのか、19日の発表にご期待ください。
 

text/編集部
photo/編集部、マツダ、スズキ