ミニバンか軽自動車か...... 食い違う夫婦にピッタリきたのは「サブスク×トヨタ ルーミー」という選択
2020/10/16
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
必需品ではなかった車がいよいよ必要に
優秀な中堅世代会社員としての冷徹な観点から見るならば、車を所有するという行為は「費用対効果」が今ひとつだった。
スーパーマーケットやショッピングセンターは自宅から徒歩圏内、つまりは歩いて15分以内ぐらいの場所にある。当時1歳だった長女をベビーカーに乗せ、炎天下の歩道を15分歩くのは決して楽ではなかったが、駐車場代やローンなどのそこそこ大きな固定費を発生させるぐらいなら、徒歩と電車を活用する方が賢い。長女を病院に連れていくときも、まぁタクシーを使えば特に問題はないのだから。
「車は、もちろんあった方が便利だろうな」とは思いつつも、そのような考えに基づいて徒歩&電車生活を続けていた埼玉県の会社員、大関洋平さん。だがそんな大関さんも第二子の誕生が間近に迫ると、考えが少々変わってきた。
「小さな子供がいても1人なら、歩きと電車でなんとかなるんですよ。しかし2人となるとさすがに、炎天下や雨の日にベビーカー2台を押しながら歩いて、さらにいろいろと必要なモノを買ったりするのは無理だろうな――と」
暗礁に乗り上げた車選び
そこでまず考えたのが新車の購入。具体的には、生まれてくる第二子を含めた家族で便利に使える中型ミニバンの購入だ。
だがあいにくというか何というか、近々戸建て住宅を購入する予定の大関さんとしては、新車のローンを組むことで何年も高額な出費が続くことは避けたい。
「ということで、それこそカーセンサーnetを毎日見ながら“手頃な価格の中古ミニバン”をキャッシュで買おうと考えていたのですが、そこで妻と意見が食い違ってしまいまして……」
家族で便利に楽しく使える、中型サイズぐらいのミニバンが欲しいと考えた洋平さん。だがそれに対し、これまで軽自動車しか運転したことがない妻は「大きい車は怖くて運転できない。買うなら絶対軽にして!」と譲らず、話がまとまらない。
ふとひらめいた、トヨタのサブスクという選択肢
そんなある日、「とりあえず中古車を買う」というプランも暗礁に乗り上げ、苦悩していた洋平さんの脳裏に、とあるテレビCMの映像が浮かんだ。
「そういえば、トヨタがKINTOとかいう車のサブスクを始めたらしいな。あれってどうなんだろう?」
「KINTO」とは、トヨタファイナンシャルサービス株式会社と住友三井オートサービス株式会社からの出資を受けて設立した新会社「株式会社KINTO」が展開している車のサブスクリプションサービス。トヨタの新車に3年/5年/7年間、整備や車検費用、任意保険、税金・諸費用などすべてコミコミの定額制で乗ることができるというサービスだ。
「私がKINTOについて調べてみた2020年2月時点では5年・7年のプランというのはまだなくて、3年プランだけでした。それでも自分なりの計算をしてみると、任意保険が含まれていることもあって、新車を買うより割安だと判断できました。さらには車種のラインナップも豊富なので、私と妻にとっての“ちょうどいい1台”があったんですよね」
絶妙サイズの1台を発見、奥さまに怒涛のプレゼン!
大関さんが言う「ちょうどいい1台」というのが、現在乗っているトヨタ ルーミー。広々とした空間=Livingと余裕の走り=Drivingを掛け合わせた「1LD-CAR」をコンセプトとするハイトワゴンタイプの小型乗用車だ。
「家族でミニバンに乗りたいという僕のニーズと、大きな車は怖くて運転できないという妻の思いのちょうど中間地点ぐらいにあるのがこのルーミーだと思いまして、それから妻に対してKINTOのプレゼンを始めました(笑)」
そのプレゼン内容は、おおむね以下のようなものであったという。
・新車を買って維持するよりは手間もお金もかからない。
・ルーミーは軽よりは大きいが、四角い車なので運転しやすい。
・まずはルーミーで運転に慣れ、その後のことは3年後にまた考えればいい。
・3年後には君(妻)も運転に慣れ、そして家族形態も変わっているから、もしかしたら君もミニバンが欲しくなるかもしれない。
・そうなったらまたKINTOで何かステキなミニバンを手に入れよう。
・もしも3年後も大きな車の運転が苦手なままだったなら、またルーミーぐらいのサイズの車をKINTOで契約すればいいじゃないか。
以上の完璧な(?)プレゼンにより妻も完全に納得し、ついに大関家に“車”がやってきた。第二子の誕生から約2ヵ月後、今年5月のことだった。
大関家の生活に訪れた変化
で、“自分たちの車がそこにある生活”というのは、実際始めてみてどうだったのか?
「正直、素晴らしいですね。“制約”や“ためらい”がほぼ消滅した――と言えばいいでしょうか」
先ほど「小さな子供がいても1人なら、歩きと電車でなんとかなる」と言ってはいた大関さんだが、実際は1人であっても、ベビーカーを押しながらの移動や買い物にはどうしたって各種の制約が伴う。そのため、これまでは様々な“ためらい”があったのだという。
「本当はあそこに行きたいのだけど、近いここに行くしかない、とか。これを買って帰りたいけど、重いからやめておこう……みたいな制約や我慢ですよね。そういったものが、ルーミーが来てからはほとんどなくなりました。実は今日来てるこの公園だって、前々から子供と一緒に来たいと思いながら、来れてなかった場所ですからね」
大関さんの自宅からこの素敵な公園までは、車なら10分もかからない。せいぜい5~6分といったところだ。だが「車で5~6分」という距離は、小さな子供をベビーカーに乗せて歩く人からすると「約40分=普通に考えてちょっと無理」という距離に相当する。
「そういった意味で、KINTOを利用して“我が家の車”を手に入れたのは本当に大正解でした。あとは、ルーミーの運転に完全に慣れつつある妻に『シエンタとかヴォクシーの運転感覚も、これとそんなには変わらへんで!』と毎日のように言い聞かせて(笑)、3年後に念願のミニバンを契約するだけです。そんな感じでライフスタイルの変化に柔軟に対応できる点も、こういったサブスクのいいところなんでしょうね」
3年後、大関洋平さんがもくろみどおり中型ミニバンに乗り替えることができるのかは、わからない。そこはあくまで夫婦の、あるいは家族の問題だ。
だがどちらに転ぶにせよ、大関さんの顔には「もはや“我が家の車がない生活”は考えられない」と書かれているように、筆者には見えた。
大関洋平さんのマイカーレビュー
トヨタ ルーミー(現行型)
●年式/2020年式
●グレード/G“Cozy Edition” GAS 1.0L 2WD
●利用料/月額 16,060円 ※3年契約・ボーナス併用払い(165,000円)設定
●走行距離/月間 1,500km未満
●購入前に比較した車/トヨタ シエンタ
●マイカーの好きなところ/両側パワースライドドアなど、子連れ家族に対する利便性
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/子供がまだ幼い家庭
インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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