気ままな波乗り生活をかなえるハイラックスサーフは、ふたりのイメージが合致した理想の1台
2020/08/28
車の数だけ存在する「車を囲むオーナーのドラマ」を紹介するインタビュー連載。あなたは、どんなクルマと、どんな時間を?
サーフィンにのめり込み車に対する考えが変わった
旅行先で出会った二階堂隆洋さんと美和子さんが結婚したのは、今から5年前のこと。東京都内にふたりで家を借り、都内で働いた。
公共交通機関が発達している東京という土地柄ゆえ「自家用車」を持つ必要性は特に感じられず、電車やバスに乗るか、あるいは必要なときにレンタカーやシェアリングカーなどを借りるという生活スタイルに、当時はなんの不満もなかった。
1年半前、三浦半島の葉山町に自宅を構え、転居してきてからも“それ”は変わらなかった。すなわち「車は必要なときにだけ借りれば、それでいい」と。
車に関する考え方というか“肌感覚”が大きく変わったのは1年前の夏。それまでは「夫婦でたまにたしなむ」程度だったサーフィンに、本格的にのめり込んだことが、ふたりの感覚を変えた。
「葉山から鎌倉界隈のポイントまで“たまに行く”程度であれば、実は車ってなくてもなんとかなるんですよ」と隆洋さん。
「や、もちろんあるに越したことはないのですが、なんとかなるっちゃなるんです。でも……」
「思い立ったその瞬間に、あれだけひんぱんにボード持って海に行こうとすると、やっぱり車がないとね(笑)」と、美和子さんが後を続ける。
ふたりともに自営業ということもあって(隆洋さんは家具のデザイン設計業、美和子さんはウェディングプランナー兼不動産仲介業を営んでいる)、比較的時間の融通は利く。
となれば、サーフィンにいわゆるドハマリをしたふたりは「今日は波がいいから」「今日は時間があるから」「今日は……ただなんとなく行きたくなったから!」ということで、思い立ったが吉日(?)的に、葉山町から10kmほど離れた鎌倉の海岸まで日参することになる。
ふたりの好みの間をとったような1台
「そうなると、いちいちシェアリングカーの予約とか、めんどくさくてやってられないじゃないですか? 『ならばもう自分たちの車を買おうよ!』ということで、コレを買うことにしたんです」
そう語る隆洋さんが見せてくれたのは、2001年式のトヨタ ハイラックスサーフ。こう見えて(?)ハマーなどのワイルド系な車を好む隆洋さんと、日産 ラシーンや英国のミニなどのクラシカルな車を好む美和子さんの「ちょうどいい中間地点」にあって、なおかつ葉山町の狭い道路でも苦にならないサイズの1台が、この20年近く前に作られた、やや無骨なSUVだったのだ。
もともとは「購入してから自分好みにカスタマイズしよう」と考えていた隆洋さんだったが、ほぼイメージどおりのカスタムがすでに行われている1台が、程よいプライスで売りに出されているのを発見。迷わず購入し、バンパーとフロントのエンブレムだけ、自分好みの仕様に微調整した。アメリカっぽく、そしてギアっぽい(道具っぽい)雰囲気に。
購入後の評価は「大正解」
こうして「その都度借りる」から、「自分たちの車常にある生活」へとシフトしてみた二階堂夫妻。購入から約1年が経過した現時点での、その選択に対する“評価”はどうなのか?
「大正解だったとしか言いようがないですね。この車は総額125万円だったのですが、そのお金以上の何かを僕ら夫婦は今、確実に得ていると思いますよ」
そして美和子さんも証言する。
「この人、1回海に行っちゃうと4時間ぐらいは帰ってこないんですが、それはまぁ私もほとんど同じなので(笑)いいんじゃないかと。“自分たちの車がある”ってことが、こんなにも“自由”と直接つながっていたとは、正直思ってもいませんでした。例えば今後、もしも海から遠い場所に移住したとしても――やっぱり“自分たちの車”は所有するでしょうね。もうね、ない生活は考えられません」
色とりどりのボードをサンドベージュのハイラックスサーフに載せ、熱心に働く傍ら、二階堂夫妻は今日も海を目指す。
思うがまま、気の向くままに。
三階堂ご夫妻のマイカーレビュー
トヨタ ハイラックスサーフ(N180系)
●購入金額/125万円
●年間走行距離/約10000㎞
●マイカーの好きなところ/フロントのエンブレム。荷室の窓が開くところ。
●マイカーの愛すべきダメなところ/燃費がそれなり。
●マイカーはどんな人にオススメしたい?/サーフィンをされる方に!
インタビュアー
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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