自動車アセスメントに取り組むNASVA(自動車事故対策機構)が、1月17日にチャイルドシートアセスメントの公開試験を行った。自動車アセスメントは、ユーザーへの正しい安全知識の提供と、より安全性の高い自動車、チャイルドシートの普及をメーカーに促すことによって、自動車事故による被害を低減し事故発生の抑制をはかることを目的としている。

今回は、ISO-FIX対応チャイルドシートの安全性評価が行われた。55km/hで前面衝突した際の衝撃によるチャイルドシートの破損や頭部の移動量、胸部への圧迫などを計測、試験結果は4月に公表される予定だ。

警察庁とJAFが合同で実施したチャイルドシート使用状況調査によると、チャイルドシートの約6割が間違った取り付け方をされていたという。そのうち60%がシートベルトの締め付け不足、約15%が座席ベルトの通し方の間違いなど、合わせて全体の80%近くがベルトに関するものだった。

また、「ちょっとそこまでだから」とチャイルドシートを使わずに子どもをだっこした状態で車で出掛けてしまうようなケースも多くあるという。そんなとき、もし事故にあったらどうなるのか…。子どもをだっこした状態で急ブレーキがかかる状況を再現した実験では、急ブレーキがかかることが事前にわかっている場合でもダミー人形を支えることはできなかった。

大前提として6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が道路交通法で義務づけられている。必ずチャイルドシートを使用すること、取り付ける際は取扱説明書を良く読み、正しくしっかり固定することが大切。子どもの命を守ってあげられるのは親しかいないことを忘れないようにしたい。

時速55kmで前面衝突した際、間違って取り付けられたチャイルドシートは座席から飛び出し、子どもの頭部が前席に叩きつけられてしまった

時速55kmで前面衝突した際、間違って取り付けられたチャイルドシートは座席から飛び出し、子どもの頭部が前席に叩きつけられてしまった

試験用シートに子どものダミー人形を乗せ前面衝突を再現。チャイルドシートとダミー人形へのダメージを測定し安全性を計測する

試験用シートに子どものダミー人形を乗せ前面衝突を再現。チャイルドシートとダミー人形へのダメージを測定し安全性を計測する

子どもをだっこした状態で急ブレーキを行う挙動体験。急ブレーキのGに耐えられず、子どもの頭部が前席シートに叩きつけられる結果に

子どもをだっこした状態で急ブレーキを行う挙動体験。急ブレーキのGに耐えられず、子どもの頭部が前席シートに叩きつけられる結果に