▲完成したトヨタ MIRAIのぬいぐるみと筆者。嬉しさのあまり、フロントフェイスの顔マネをしてみました ▲完成したトヨタ MIRAIのぬいぐるみと筆者。嬉しさのあまり、フロントフェイスの顔マネをしてみました

作り方は至ってシンプル。ただし作業時間は……

その昔、愛車をかたどった手作りの「ぬいぐるみ」が流行ったのって、ご存じですか?

1980年代、ちょっとヤンキーなテイストの車の定番アイテムとして親しまれたぬいぐるみ。ゲームセンターなどでゲットした景品を並べるだけではなく、女の子が車好きなカレのために愛車をモデルにしたぬいぐるみを作ってプレゼントするという文化が一部でありました。

男の子にとって、彼女が作ってくれたぬいぐるみを車内に飾るのは一種のステイタスだったのですが、最近ではぬいぐるみを飾っている車自体、あまり見かけなくなりました。

「今、やっていないことをやることに価値がある!」ということで、唐突ですが車のぬいぐるみ作りに挑戦してみました。当時を知らない方にとっては目新しいでしょうし、これからの時期、クリスマスプレゼントにもピッタリなハズ(たぶん)。

挑戦するにあたり、まずはモデルとなる車を決めないと……。せっかく作るのなら、今いちばんホットな車がいい! となれば、トヨタ MIRAIを置いて他にはないでしょう。MIRAIのぬいぐるみを作る人なんて、世界で私が最初でしょうし(たぶん)。

思い立ったが吉日! とばかりに、手芸屋さんで材料を調達。針と糸はもちろんですが、手作りでぬいぐるみを作る際の定番素材であるフェルトや布、マークを付けるチャコペン、そして装飾品のスパンコールなど。材料費はぜんぶ合わせて約4,000円でした。

材料が揃ったところで早速作業開始! ちなみに工程は大きく分けると以下の3つ。

・フェルトを型紙どおりにカットする
・フロント、窓、屋根、フロア、サイドパネルなど、部位を分けて縫い上げる
・縫い上げた各部を合体させ、綿を詰めて完成!

なのですが……手芸は小学校の家庭科の授業以来な私の場合、フェルトのカット作業から大苦戦。その後もあらぬ所を縫い付けちゃったり、図面まで作ったにも関わらず、長さが全然合わなかったりして、やり直すこともしばしば。まさか、ぬいぐるみ作りがこんなに根気がいるものだとは。これを作っていた女の子たちの根性ってハンパないですね。

型紙を作るところからカウントして約20時間。ネットで縫い方を検索しながら製作するという超突貫作業でしたが、ついにMIRAIのぬいぐるみが完成! あらためて見てみると、ホイールベースがやけに短くて少々トールボーイなスタイルですが、それはご愛嬌。見ているうちにそれがだんだん味に思えてきます(たぶん)。

「カンタンなので皆さんもぜひ!」とは、とても言えません。だって、すごく大変なんだもの! でも、車好きなカレやお友達にこのぬいぐるみをプレゼントしたら喜んでくれるのは間違いないでしょう(たぶん)。この世に2つとない愛車のぬいぐるみを、もし女の子からもらえたら……私なら感涙モノです。

女子の皆さん、車好きのカレやお友達へのプレゼントとして、チャレンジしてみてはいかがですか?

▲まずは車の型作り。ノートの紙を切り抜いて、大まかなフォルムを作ってみた。「雑すぎ!」とツッコミが入りそうですが、あくまでイメージをつかむためのものですから、これでOK! ちなみにリアルに作っても面白くないので、思い切ってデフォルメしてみました ▲まずは車の型作り。ノートの紙を切り抜いて、大まかなフォルムを作ってみた。「雑すぎ!」とツッコミが入りそうですが、あくまでイメージをつかむためのものですから、これでOK! ちなみにリアルに作っても面白くないので、思い切ってデフォルメしてみました
▲下書きを元に型紙を制作。一応、接合する辺の長さとかは合わせてみました ▲下書きを元に型紙を制作。一応、接合する辺の長さとかは合わせてみました
▲型紙を切り抜き、チャコペンでフェルトに転写。この後、切り取るのですが…… ▲型紙を切り抜き、チャコペンでフェルトに転写。この後、切り取るのですが……
▲MIRAIのキラキラなヘッドライトはスパンコールで表現。左右にちゃんと4個ずつ付けました ▲MIRAIのキラキラなヘッドライトはスパンコールで表現。左右にちゃんと4個ずつ付けました
▲フロントバンパーの大きなエアスクープと曲線を描くボンネットがMIRAIのデザインの特徴。デフォルメしていても、ここは忠実に再現してみました ▲フロントバンパーの大きなエアスクープと曲線を描くボンネットがMIRAIのデザインの特徴。デフォルメしていても、ここは忠実に再現してみました
▲エッジ感を出すため、フェンダー部分はブランケットステッチという縫い目を外に出す縫い方で表現してみました ▲エッジ感を出すため、フェンダー部分はブランケットステッチという縫い目を外に出す縫い方で表現してみました
▲ひとしきり縫い上げたら、お腹の中に綿を詰め込みます。けっこうギュウギュウな感じに綿を入れるのがポイント ▲ひとしきり縫い上げたら、お腹の中に綿を詰め込みます。けっこうギュウギュウな感じに綿を入れるのがポイント
▲完成まであと一歩。最後はフロントグリルにエンブレムを付けて…… ▲完成まであと一歩。最後はフロントグリルにエンブレムを付けて……
▲いろいろと手間取ったものの、ようやく完成! ちょっとズングリムックリなフォルムだけど、なんとなくMIRAIに見えなくもない……でしょ? ▲いろいろと手間取ったものの、ようやく完成! ちょっとズングリムックリなフォルムだけど、なんとなくMIRAIに見えなくもない……でしょ?
text/田端邦彦