変速機をもたないことで右足とのシンクロ率(?)が抜群

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PERFORMANCEエンジン種類やミッション、最新装備などを解説

量産車初となる新世代電気自動車
軽自動車i(アイ)をベースにモーターとバッテリーを搭載した夢のEV(電気自動車)がi-MiEV。2009年度の販売は法人や自治体を中心に約1400台を計画しているが、すでに今年度分の販売は実質終了、個人向けへは2010年4月より開始する。充電に関しては自宅でも外出先でも可能な3WAY方式を採用。急速充電器なら約30分で80%の充電が可能になっている。

DRIVING実際に運転してのドライビングフィールを解説

ひたすら驚き! まさに未体験、新次元の走り
出力(軽自動車の上限である64ps)よりトルクに注目してほしい。1.8L級の性能があり、これがアクセルを踏んだ瞬間から発生する。まさにモーターならではの特性。iより190㎏も重いが、まったく関係なし。おまけにバッテリーを車体下部に搭載することで重心も低くなり、コーナリング時や高速走行時の安定感も抜群。この走り、クセになりそうなくらい快感だ。
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SPACE室内空間の広さや演出を解説

コストの問題もあるがやや演出不足の感はあり
専用のシート表皮やエコ素材の採用。エアコンも専用制御やオプションのナビもメモリー型にするなど、すべては省電力のために工夫されている。これはこれで評価できる。しかし、ユーザーがEVに期待するのはさらに先進的なイメージ。コストがかかるのはわかるが、プリウスやインサイトのハイブリッド勢に比べ、演出面が少々足りないのは惜しい。

OWNERSHIPスタイルや品質など所有する喜びなどを検証

ライバルはいないくらい独自の世界を構築
何よりもEVの歴史を切り開いたという“ 栄誉”は素晴らしく、語り継がれるだろう。実際試乗している時も、この車がEVであることに気がついた人の視線が痛い(?)ほどよくわかる。EVの時代は始まったばかりでインフラなど問題はまだまだ多いのは事実。しかし、来年以降、個人でオーナーになった人は環境に配慮しているという「誇り」ももてるはずだ。

SPECIFICATIONS

グレード i-MiEV
駆動方式 MR
トランスミッション -
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1610
ホイールベース(mm) 2550
車両重量(kg) 1100
乗車定員 4人
エンジン種類 永久磁石式同期型モーター
総排気量(cc) -
最高出力 47kW(64ps)/3000~6000rpm
最大トルク 180N・m(18.4㎏-m)/0~2000rpm
車両本体価格 459.9万円

RATING走行性能だけでは車は語れない。そこで快適装備の充実度や安全性の高さ、環境性能、燃費、バリューの5つのポイントで評価する

EQUIPMENT(装備)

CD付きオーディオ、アルミホイールは標準装備。エアコンは省電力を実現するためマニュアル式だが、吹き出し口切り替えはオート、瞬時に冷暖房効果を上げるMAXスイッチを採用するなど専用設計だ。

SAFETY(安全性)

i(アイ)には設定のないトラクションコントロールを標準装備。軽自動車初となるヘッドライトをLED化(リアコンビネーションランプもLED)することで省電力とHID同様の明るさを両立させたのは見事。

ECO(環境性能)

当たり前の話だが、燃料を燃やすエンジンがないので、走行中の排出ガスがゼロ、ゆえにCO2の排出量もゼロと環境性能に関しては言うことなし。環境に配慮した新素材の積極採用も高く評価できる。

MILEAGE(燃費)

EVなので燃費ではなく“電費”である。フル充電の航続可能距離は約160㎞だが、エアコンを使えば当然航続距離は落ち、使い方でかなり差が出るようである。ただガソリンより安いことは間違いない。

VALUE(バリュー)

価格は正直高い。補助金も2010年4月以降どのような形になるか、まだ見えていない部分も多い。それでもEVの注目度は大。最先端の環境技術に乗るという喜びは何にも替え難い価値があるはずだ。

総合評価
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RATING 総合評価|ニューモデル試乗
写真:篠原晃一 文:高山正寛