剛性感と“しなり”を融合したシャシーに注目

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マツダが長年培ってきたテクノロジーを再構築し、車に付随するすべてのメカニカル効率を向上させたシステム、それが“スカイアクティブ”。

エンジン、トランスミッション、シャシーなど多岐にわたるこの技術の一部は、すでにデミオやアクセラに盛り込まれていたが、すべてのエレメントを投入したフルスカイアクティブはCX-5が最初となる。なかでも、最も革新的な技術となるのがシャシーだ。

CX-5は、路面からの力をサスペンションで逃がす一方、吸収しきれない振動をシャシーで低減させている。言葉にすると簡単だが、技術的には非常に難しい課題だ。大抵は乗り味に締まりがなくなるか過度にソリッド感が出てしまう。だがCX-5はシャシーにウルトラハイテンという優れた鋼材を使用することで、ドイツ車の剛性感と日本車の“しなり”を絶妙に融合した。このシャシーにより、安心感あるハンドリングも実現している。車高の高い車はサスペンションが突っ張ったように感じる傾向にあるため、安心感を引き出すのは技術的に困難だ。だが、CX-5はしっかりサスペンションをストロークさせることで不安定な動きを抑えている。

落ち着き系のディーゼル、スポーティなガソリン

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ガソリン仕様、ディーゼル仕様とも同じシャシーだが、エンジンによって乗り味は異なる。ガソリン仕様より約100kg重いディーゼル仕様は、落ち着いた乗り心地だ。ディーゼルエンジンは粘りのある低圧縮タイプで、トランスミッションとの相性も良い。一方、ガソリン仕様の乗り味はスポーティ。エンジンのピックアップもビビッドだ。

もうひとつエンジンで注目したいのは、アイドルストップからの再始動性。休止から再始動するまでのスピードは、ガソリン仕様、ディーゼル仕様ともポルシェよりも速いのだ。これはマツダがエンジンの燃焼を良く理解している証拠とも言える。

SPECIFICATIONS

             
主要諸元のグレード 20C 20S XD XD L Package
駆動方式 2WD(FF) 2WD(FF) 4WD 2WD(FF) 4WD 2WD(FF) 4WD
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4540×1840×1705
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg)1460144015101510161015301620
乗車定員 5
エンジン種類 直4DOHC 直4DOHC直噴ターボ
総排気量(cc) 1997 2188
最高出力【kW(ps)/rpm】 114(155)/6000 113(154)/6000 129(175)/4500
最大トルク【N・m(kg-m)/rpm】 196(20.0)/4000 195(19.9)/4000 420(42.8)/2000
JC08モード燃費(km/L) 16.0 15.6 18.6 18.0 18.6 18.0
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/56 レギュラー/58.0 軽油/56.0 軽油/58.0 軽油/56.0 軽油/58.0
車両本体価格(万円) 205.0 220.0 241.0 258.0 279.0 298.0 319.0
Tester/松本英雄  Photo/尾形和美