意識を後方に置き去りにするほどの加速、テスラ モデルS P100D(試乗レポート)
カテゴリー: テスラの試乗レポート
タグ: テスラ / 4WD / モデルS / EDGEが効いている
2017/06/16
0→100㎞/h加速 2.7秒の異次元の加速はEVならでは
テスラモデルS P100DはモデルSの高性能バージョンだ。Pはパフォーマンスを、100はバッテリー容量(kWh)を、そしてDはデュアルモーター(前後軸に1個ずつ。すなわち4WD)を意味する。同社のイーロン・マスクCEOは設立当初からEVの優位性を証明するため、環境性能のみならず動力性能でもIC(内燃機関車)を凌駕することを目標に掲げた。P100Dはいわばその証明の総仕上げだ。なにしろこれ以上速くても人間が対応できないレベルに達してしまった。
システム出力611ps、最大トルク967N・mというカタログスペックは、しかしEVの場合、バッテリーの温度や充電量によって変わるので目安でしかない。試乗日は寒かったからそれより幾分低かったはずだ。だがそんなの関係なかった。直線でごく短時間のフル加速を試みると、掛け値なしに市販車最高レベルの加速を見せた。「ボク、いま加速したんだよね? 」と脳が、意識が置き去りにされたような感覚。0→100㎞/h加速2.7秒。同じ加速性能の車は数車種存在するが、もし0→50㎞/h加速を計測すれば、間違いなくモデルSが圧勝する。EVは“加速し始め”が異次元だから。
ところで、モデルS P100Dのカタログ上の航続距離は613㎞。「EVは航続距離が……」と十把一絡げに心配する人がいるが、7掛けとしても430㎞なら十分のはず。どこかの新市場の問題と同じで(得体の知れない)安心を求める人は永遠に満足しないわけで、EVに向いていないとしか言いようがない。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:P100D ■乗車定員:5名
■エンジン種類:モーター
■最高出力:611[ps/rpm]
■最大トルク:967[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD
■全長x全幅x全高:4979x1950x1440(mm) ■ホイールベース:2960mm
■車両価格:1767.9万円
あわせて読みたい
- 西川淳の「SUV嫌いに効くクスリをください」 ランボルギーニ ウルスの巻
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- EVハイパーカーメーカー「リマック」が今熱い!従来のスーパーカーを猛追するクロアチアの新星【INDUSTRY EDGE】
- 【功労車のボヤき】「オペルとは思えないほどイカしてる!」というトホホな褒め言葉に涙した日もあったけど……。オペル一族の逆襲!?
- 【試乗】メルセデス・ベンツ 新型Sクラス│”新時代の車”を堪能できるラグジュアリーセダンの最高峰!
- ドア開閉音からも分かる卓越したビルドクオリティ、空冷時代だからこそ生きたポルシェの技術力
- 【試乗】新型 フォルクスワーゲン T-Cross│「TさいSUV」はハッチバックよりもどこが欲張りか? 実際に乗って考えた
- 今はもう中古車でしか味わえない高純度FR、国産を代表するミドルセダンのレクサス GS【Back to Sedan】
- 世界で3社しか市販していないレアなFCVの1台、トヨタ MIRAIのドライブフィールに注目! 【EDGE’S Attention】
- 【試乗】新型 アウディ A4 アバント│実用性の高いアバントボディがクアトロらしい俊敏な走りとマッチし、絶妙にバランスがとれた逸品