日本初となるFFのジープ

  • ジープ コンパス 走り|ニューモデル試乗
  • ジープ コンパス リアスタイル|ニューモデル試乗
CVTにはMT操作が行えるオートスティックを採用。JC08モード燃費は10.5km/Lとされる。なお、パワーガラスサンルーフ付きは308万円
ジープ コンパスは、ジープのエントリーモデルであるパトリオットとプラットフォームを共用するSUVだ。ジープ伝統の7スロットグリルは、各スロットをクロームで縁取り、上級モデルのグランドチェロキー譲りのヘッドライトを採用。Cピラーとともにブラックアウトされたリアドアのノブなど、シティユースをメインに想定したというだけあって随所にこれまでのジープのイメージとは異なるデザインが盛り込まれている。

エンジンもパトリオットと同様の2ℓ直4にCVTの組み合わせ。燃費は10.5km/L(JC08モード)と、いまどきのSUVとしてしっかり2桁を稼ぎ出す。インテリアもエントリーモデルながら、レザーシートやソフトタッチのドアトリムなど、上質な素材が用いられている。

ちなみにこのコンパス、日本に導入されたジープとしては初のFF、2WDモデルである。

“ジープ”をもっと身近に

  •  ジープ コンパス インパネ|ニューモデル試乗
  • ジープ コンパス フロントシート|ニューモデル試乗
インテリアはツートーンでまとめられ、レザーシートを標準装備。助手席のシートバックを倒すとテーブルとしても使える
今年はじめ、ジープ ラングラーの商品企画担当者にインタビューする機会があった。そのときに聞いた興味深い話がある。「アメリカで売れているラングラーの約50%は2輪駆動です」。そもそも日本には2駆のラングラーは導入されていない。インポーターの戦略か、顧客がそう望むからか。ジープ=4WD=オフロードの象徴、実はそんな固定概念にとらわれているのは日本だけで、彼の地の人々はもっとフツーに、スタイルで、足として“ジープ”を捉えているというわけだ。

乗れば良い意味で軽快である。乗り心地も相当に良い。かつてのダッジ キャリバーやパトリオットでは少々不満のあった2L直4+CVTにも驚いた。トルクの出方も不足なく、熟成の感ありだ。

298万円。日本初の2駆のジープは、素直にブランドやカタチで選んでいい、ジープだと思う。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード Limited
全長×全幅×全高(mm) 4460×1810×1665
車両重量(kg) 1450
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1998
最高出力[ps/rpm] 156/6300
最大トルク[Nm/rpm] 190/5100
車両本体価格 298万円
Tester/藤野太一  Photo/向後一宏