マクラーレン MP4-12Cスパイダー|ニューモデル試乗

マクラーレンは、MP4-12Cのスパイダー比率を約80%と予測。日本ではジャスト3000万円だそうな。さらに、ここであえて「屋根の開かない」クーペをチョイスしたら、我儘度はMAX100%ということになるだろうね。真の男には、ぜひクーペを選んでほしい

本命誕生 オープン化のネガは皆無だ

クーぺと変わらないパフォーマンス

MP4-12Cのラインナップに追加設定されたスパイダーに試乗した。マクラーレンは、クーペモデルと一切変わることのないパフォーマンスを披露すると胸を張るが、その言葉に偽りはなかった。スパイダーは、オープンエア・ドライブが楽しめるMP4-12Cであることを除けば、クーペモデルからほかに何も変わることはない。結論はやはり、こう報告するほかはないようだ。

絶対的な安定感がプレッシャーを解消

正確には、MP4-12Cは2013年モデルで、ミッドのV8エンジンを625psに強化するなど、さらなる正常進化を果たしている。車速が30km/h以下なら、走行中でも17秒以下でオープン&クローズが可能なリトラクタブル・ハードトップの採用など、オープン化に伴う重量増も約40kgという数字であるし、エアロダイナミクスにも変化は表れているのは当然だ。しかしながら、その違いを一切感じさせないのはなぜか。

それは誰もが、このスーパースポーツの基本構造体たるCFRP製のモノコックタブ=モノセルの驚異的な剛性感と、スタビライザーの機能を油圧によるロール制御に委ねた、独自のシャシー・コントロール技術に、圧倒されることに理由がある。MP4-12Cスパイダーの走りには、スタビリティへの不安がまったく感じられない。ドライバーの操作に対するリアクションが、ここまで正確で、かつ自然に表れるスーパースポーツは、唯一無二の存在といえる。

オープンドライブ中の快適性は、200km/hという日本では常識外の速度域でも変わらない。V8エンジンからのサウンドは、それがはたして官能的な響きであるかどうかは別として、クーペよりダイレクトに伝わってくる。ここから先、328km/hの最高速への挑戦も、条件が許せばきわめて容易。その絶対的な安定感が、精神的なプレッシャーを簡単に解消してくれるのだから。

コーナリングの際などに起き上がってダウンフォースを増大させるエアブレーキ(アクティブリアウイング)も装備

コーナリングの際などに起き上がってダウンフォースを増大させるエアブレーキ(アクティブリアウイング)も装備

インテリアデザインもクーぺと共通。オーディオとエアコンはオープン時も考慮し最適化が図られた

インテリアデザインもクーぺと共通。オーディオとエアコンはオープン時も考慮し最適化が図られた

クーぺの13モデルと同様のパワートレインを採用。0→100㎞/h加速もクーぺと同じ3.1秒となる

クーぺの13モデルと同様のパワートレインを採用。0→100㎞/h加速もクーぺと同じ3.1秒となる

SPECIFICATIONS

グレード MP4-12C SPIDER
駆動方式 MR
トランスミッション 7DCT
全長×全幅×全高(mm) 4509×2093×1203
ホイールベース(mm) 2670
車両重量(kg) 1376
乗車定員(人) 2
エンジン種類 V8DOHCターボ
総排気量(cc) 3799
最高出力[ps/rpm] 625/7500
最大トルク[N・m/rpm] 600/7500
車両本体価格(万円) 3000.0
Tester/山崎元裕  Photo/マクラーレン・オートモーティブ