マクラーレン MP4-12Cスパイダー (西川淳)【海外試乗】
カテゴリー: マクラーレンの試乗レポート
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2013/01/31
街乗りのライドコンフォートから、ハードなサーキットドライブ、そして優雅なオープンクルーズまで、およそラグジュアリーカーの出番と考えられるすべてのシーンを、最高レベルでこなしてくれるのだから、大人のわがままに100%応えてくれるスーパーカーである
妥協ナシ、使い勝手も上、クーペより断然オススメ
最初の驚きはユーティリティの高さ
マクラーレンが本格的にスーパーカーメーカーとなって生み出した驚愕のミッドシップスポーツカー、MP4-12C。この種の高級車ビジネスの定石どおり、そのスパイダー仕様が登場したというわけだけれども、その見どころはといえば、これが予想外のものだった。
実際に、自由に乗っていいという試乗車を与えられて、最初に驚かされたのは、その走りのパフォーマンス(は後ほど)ではなく、ユーティリティの高さ、だったからだ。
跳ね上がったデヘドラルドアの縁にボタンがある。クローズド状態でこれを押すと、トノカバーがポンッと上がった。そこに現れたのは、52Lのへこみ。機内持ち込みサイズのスーツケースなら、すっぽりと収まる程度に十分なスペースで、2人乗れば荷物の行き場に困るこの手のミッドシップスーパーカーでは、とても重宝するのだった。
中身もまるでクーぺと同じ
もちろん、サーキットを走らせると、それ以上の感動にすぐさま襲われた。そのドライビングフィールは、クーペのそれとまったく同じ、なのだ。
屋根のないことなど、まるで感じさせない、というか、忘れてしまって、ハイスピードドライブに夢中になっていた。ヘルメットをかぶっていたため、風の巻き込みも感じなかったから、余計である。
この手のスーパーカーでは、たとえそれがフェラーリであっても、オープン化による剛性低下は避けられなかった。それが、どうだ。筆者レベルが試すような一生懸命走りの範囲内では、まるで違わない。なるほど、エンジニアが、中身もまるでクーペと同じと豪語したわけだ。
クーペより優る点が、ユーティリティのほかにもうひとつあった。それはエグゾーストノート。オープンではもちろんのこと、クローズドでも、リアウインドウを下げれば、迫力のV8サウンドが室内にこだまする。爆音派にもオススメである。
SPECIFICATIONS
グレード | MP4-12C SPIDER | ||
駆動方式 | MR | ||
トランスミッション | 7DCT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 4509×2093×1203 | ||
ホイールベース(mm) | 2670 | ||
車両重量(kg) | 1376 | ||
乗車定員(人) | 2 | ||
エンジン種類 | V8DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 3799 | ||
最高出力[ps/rpm] | 625/7500 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 600/7500 | ||
車両本体価格(万円) | 3000.0 |