▲スーパーカーは鑑賞するためのものばかりと思っていたけれど、MP4-12Cも650Sもドライバビリティの高さが売り物だけに「自分のものにしたい!」という激しい衝動に駆られる。「スポーツカーは走ってナンボ」と思っているアナタに全力でお勧めしたい ▲スーパーカーは鑑賞するためのものばかりと思っていたけれど、MP4-12Cも650Sもドライバビリティの高さが売り物だけに「自分のものにしたい!」という激しい衝動に駆られる。「スポーツカーは走ってナンボ」と思っているアナタに全力でオススメしたい

さらに運転しやすくなった“F1 直系スーパーカー”

3年前にマクラーレンMP4-12Cがデビューしたとき、誰もがその乗り心地の良さ、エンジンのパワフルさ、コーナリングスピードの速さに驚嘆し、「さすがF1チーム直系のマクラーレン!」という賞賛の声が上がった。

そうした評価は今もまったく変わっていないけれど、MP4-12Cをベースに開発されたニューモデル、650Sに乗ってみると、MP4-12Cのように個々の領域が優れているというよりも、サスペンション、パワートレイン、さらにはエアロダイナミクスまでがすべて混然一体となって、新しい世界を作り上げていることに気づく。

では、その新しい世界が何かといえば、圧倒的なドライバビリティの高さであり、結果として得られる「意のままに操れる感覚」だといえる。

▲ハンドステッチのアルカンターラを用いたインテリア。バックレスト固定式のカーボンシートもオプション採用 ▲ハンドステッチのアルカンターラを用いたインテリア。バックレスト固定式のカーボンシートもオプション採用

一段と速い領域で、安心してコーナリングできる

サスペンションはよりスムーズになってボディを一定の姿勢に保ち、エンジンはレスポンスが向上してスピードコントロールと姿勢制御がより的確にできるようになった。

そしてダウンフォースが24%も増えた(150mph=約240㎞/h時)エアロダイナミクスはロードホールディングをより確実なものとしている。

おかげで、誰もが称賛するほどの完成度をみせたMP4-12Cよりも一段と速い領域で、しかも安心してコーナリングできるのが650Sの最大の特徴といえる。この結果、そこそこの腕前の持ち主ならドリフトが楽しめるようになったのだ! そんな夢のような体験を味わえるのがマクラーレン650Sの真骨頂といえるだろう。

▲斜め上に開くバタフライドアを採用。自動で立ち上がりダウンフォースを高めるエアブレーキも備えた ▲斜め上に開くバタフライドアを採用。自動で立ち上がりダウンフォースを高めるエアブレーキも備えた

▲最適な重量配分のためエンジンをキャビン後方に配置。0→100km/h加速は3秒となる ▲最適な重量配分のためエンジンをキャビン後方に配置。0→100km/h加速は3秒となる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:650S SPIDER ■乗車定員:2名
■エンジン種類:V8DOHCターボ ■総排気量:3799cc
■最高出力:650/7250[ps/rpm] ■最大トルク:678/6000[N・m/rpm]
■駆動方式:MR ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4512×2093×1203(mm) ■ホイールベース:2670mm ■車両重量:1370kg
■車両本体価格:3400万円

Tester/大谷達也 Photo/マクラーレン・オートモーティブ