※この記事はカーセンサー関東版2001年17号(4月26日)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

モデナほどの強靭な剛性感はないが、究極的な運動性能とパワーフィール

  •  フェラーリ 360 F1スパイダー 走り|ニューモデル試乗
  • フェラーリ 360 F1スパイダー インパネ&シート|ニューモデル試乗
↑デザインはフェラーリの定石どおりピニンファリーナが担当した(左) アナログメーターが整然と配置されたインパネ。視認性は十分に確保されている(右)
フェラーリの8気筒モデルに、フルオープンボディの360スパイダーが追加設定された。

すでに日本にも正規輸入されている360モデナと共通のメカニズムをもつ。この最新のスパイダーには、もちろん6速MTと、それをベースに開発された2ペダル方式のF1の両仕様が設定されるのもモデナと同様だ。この360スパイダーに対面して、まず感動するのは、美しくオープン化されたそのスタイリング。わずか28秒で開閉が可能なオートマチックのソフトトップも見どころの一つだ。

運動性能は世界の一線級に位置するオープンスポーツ

  • フェラーリ 360 F1スパイダー エンジン|ニューモデル試乗
  • フェラーリ 360 F1スパイダー リアスタイル|ニューモデル試乗
3586ccのV型8気筒DOHC5バルブエンジンは、400ps&38.0kg-mを発揮する(左) メッシュタイプのチャレンジグリルは、オプションとして設定されているもの(右)
フルオープン化という言葉から、まず心配されるのは、スポーツカーにとって運動性能を左右する重要な要素ともいえる剛性の低下。事実同じ360でも、このスパイダーの捻れ剛性値は、モデナと比較して40%も低い数値になる。だが実際に試乗してみた360スパイダーの走りはどうだ。確かにモデナで感じたほどの強靭な剛性は得られていないものの、オープンスポーツとしての360スパイダーの運動性能は、確実に世界の一線級に位置するものだ。

今回の試乗車はパドルシフトを備えるF1仕様。ミッドに搭載される400ps版のV型8気筒DOHC5バルブユニットは、その数値が物語っているように、高速域ではまさに頭上に突き抜けるかのようなパワーフィールを示す。だからといって実用域での扱いが難しいエンジンに仕上がっているのではない。市街地でのフレキシビリティも相当に魅力的だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 360スパイダー(F1)
駆動方式 MR
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4490 x 1925 x 1235
ホイールベース(mm) 2600
車両重量(kg) 1520
乗車定員(人) 2
エンジン種類 V8DOHC
総排気量(cc) 3586
最高出力[ps/rpm] 400ps/8500rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 38.0kg-m/4750rpm
10・15モード燃費(km/L) -
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/98
車両本体価格 1898万円

山崎元裕の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 4点 加速性能 5点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 5点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 3点
後席居住性 - パワー感 5点 高速安定性 5点 ステータス 5点
内装の質感 4点 トルク感 5点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 86/95
(Tester/山崎元裕 Photo/奥隅圭之、桜井健雄)