※この記事はカーセンサー関東版2001年13号(3月29日)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

音と振動を改善し、芯のある足回りと滑らかな走りのATをプラスした

  • オペル ヴィータ 走り|ニューモデル試乗
  • オペル ヴィータ インパネ|ニューモデル試乗
↑日本だけで約6万台を販売したヴィータの2代目は、ホイールベースを延長してさらに快適な空間と実用的な荷室スペースを実現(左) 欧州版はカセットのみ。日本仕様はCD&MDを標準装備と嬉しい配慮が(右)
丸くて可愛いヴィータである。全体的なシルエットは相変わらずつるりと愛らしい。しかしヘッドライトはきりりと引き締まった。また、リアのコンビネーションランプはCピラーに組み込まれたハイポジションになり、精悍で新鮮な演出も施されている。

ボディサイズが一回り大きくなり車内が広くなったほか、旧型で暗いと不評(?)だったインパネの色合いが明るくなった。日本仕様はCD&MD標準のスペシャルバージョンというのも、粋な計らいといえる。

どこを走らせてもストレスのない反応

  • オペル ヴィータ エンジン|ニューモデル試乗
  • オペル ヴィータ リアスタイル|ニューモデル試乗
↑振動、ノイズとも低減されたエンジン。エコノミー/スポーツモードが選べる(左) タテに組み込まれたコンビネーションランプが精悍で新鮮な雰囲気をつくる(右)
ライバルが次々とリフレッシュするなか、走りの面でも古さを感じていたヴィータだが、フルモデルチェンジされてまさに一新した。何といっても4ATの走りの滑らかさは特筆ものである。街中、高速、ワインディングと、どこを走らせてもきちんとトルクの美味しいところを選んでストレスのない反応をする。そしてシフトショックが見事に少ない。サスペンション、ボディ剛性の良さもさることながら、エンジンのマウントも見直され、不必要で不快な揺れが解消されている。

足回りは芯のある硬さ。パワステのじっくりとした手応えと、シートの心地よい硬さとのバランスが良く、オペル車の中でもかなり歯ごたえのあるクルマになっている。

旧型で指摘されていたペダルポジションのオフセットもなくなった。3ドアボディのリアシートへのアクセスもしやすく、また、リアシート、トランクともに広さは十分ある。

日本の軽くて優しいコンパクトカーとは走りで一線を画す仕上がりだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード スウィング
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3815×1645×1440
ホイールベース(mm) 2490
車両重量(kg) 1080
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1388
最高出力[ps/rpm] 90ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 12.8kg-m/4000rpm
10・15モード燃費(km/L) 13.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/44
車両本体価格 173.0万円

岩貞 るみ子の責任採点

コンセプト 5点 取り回し 5点 加速性能 4点 ブレーキ性能 4点
フィニッシュ 4点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 4点 環境対策 4点
前席居住性 4点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 4点 燃費 5点
後席居住性 5点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 4点
内装の質感 5点 トルク感 4点 しっかり感 5点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 86/100
(Tester/岩貞 るみ子 Photo/芳賀 元昌)