環境性能と情感に訴える部分を巧みに両立

  • アウディA6 走り|ニューモデル試乗
  • アウディA6 リアスタイル|ニューモデル試乗
走行性能を切り替えられるドライブセレクトは従来の4モードに加え、3.0TFSIクワトロにエコドライブを助けるエフィシエンシーを採用
セダンより約半年遅れで、A6アバントがフルモデルチェンジされた。アルミとスチールを組み合わせた流麗なボディは先代より約20%軽く、また前後オーバーハングが切り詰められている。 燃費、運動性能の向上はもちろん、自慢のスタイリッシュさにもさらに磨きがかけられているのだ。

設定されるのは、V型6気筒の2.8L直噴エンジンを積む2.8FSIクワトロと、同3Lスーパーチャージャー付きエンジンを積む3.0TFSIクワトロの2グレード。いずれもフルタイム4WDであり、またスタートストップシステムや減速エネルギー回生システムなどを搭載し、燃費を20%以上も向上させている。

特に前者は、ライバルの4気筒ターボ化に対して6気筒を継続。装備、そして価格も戦略的な設定とされており、A4などのモデルからのステップアップ、そしてライバルからのユーザー奪取を狙った意欲作である。

意外に大差アリ。買うなら3.0TFSIクワトロ

  •  アウディA6 インパネ|ニューモデル試乗
  • アウディA6 ラゲージ|ニューモデル試乗
ラゲージスペースは通常565Lから最大1680L。リアゲート下方で特定の動作をすると自動で開閉するオプションも用意される
新鮮味はないが、プロポーションの改善で、自慢のスタイルはさらに洗練された。内装の設えも立派。荷室も含めて、いいモノ感が漂っている。

グレードは2つあるが、お勧めは断然3.0TFSIクワトロだ。エンジンはトルクフルで吹け上がりも爽快。スペック上は大きな違いはないはずなのだが、足回りもしなやかに感じられる。デジタル 感は強いが、快適な走りを味わえるはずだ。

一方の2.8FSIクワトロは、ライバルに対して優位性をアピールしているV型6気筒エンジンが、確かにスムーズではあるが、いかんせん非力なのが残念。試乗したのがオプションの20インチタイヤ装着車だったこともあり、乗り心地やロードノイズも端的に言って期待値には及ばない。使い勝手や走りの質の面で、ライバルより特に秀でているわけではない。見た目重視なら、まあ悪くはないのでは? といったところだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 3.0TFSIクワトロ
全長×全幅×全高(mm) 4940×1875×1495
車両重量(kg) 1890
エンジン種類 V6DOHCスーパーチャージャー
総排気量(cc) 2994
最高出力[ps/rpm] 310/5500-6500
最大トルク[ Nm/rpm] 440/2900-4500
車両本体価格 865万円
Tester/島下泰久  Photo/阿部昌也