初期受注の7割は"ブルーパフォーマンス"

  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス 走り|ニューモデル試乗
  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス リアスタイル|ニューモデル試乗
JC08モード燃費11㎞/Lと、3Lガソリンエンジン(35i)と比べ約30%向上。尿素水溶液を噴射しNOxを低減するSCRなどを備える
このところのBMWはハイブリッドにディーゼル、そしてEVと“エコカー”対策に余念がない。しかも、価格が戦略的にリーズナブル。もちろん、従来の路線も堅持したままでだ。

世界で最も厳しい日本のポスト新長期排気ガス規制をクリア(もちろんユーロ6も)する最新のディーゼルターボエンジンを積んだX5は、発売後たちまち人気を博し、初期受注では何と7割の X5が“ブルーパフォーマンス”だという。もっとも、現行モデルとはいえ、E70のデビューは2007年だったから、モデル自体の人気もひと息ふた息ついたのちのディーゼル登場ゆえ、7割ど ころか8割、9割になってもおかしくないところ。

最新世代の直噴ユニットを3L直6ディーゼルターボ+8ATに組み合わせ、V8搭載車級の力強さを直6搭載車より3割も好燃費で実現した、というあたりがパフォーマンスのキモ。

日本人のディーゼルイメージを木っ端みじんに

  •  BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス インパネ|ニューモデル試乗
  • BMW X5 xドライブ35d ブルーパフォーマンス フロントシート|ニューモデル試乗
エアロパーツなどを備えるオプションのダイナミックスポーツパッケージ(54万円)にはスポーツシートを装着。ヘッドアップディスプレイも標準化
スポーティな装い(ちょっと派手だなあ)の試乗車。はたして乗ってみれば、重い巨体をモノともしない、また、当然のことながら日本人のディーゼルイメージを木っ端みじんにする、力強くて 歯切れのいい走りを、ほぼ全域で楽しめた。

街中をとろとろと走っているような状況では、たしかにディーゼルエンジンらしいゴロゴロ音が聞こえてくる。振動だって、ガソリンに比べれば小刻みながら伝わってきた。特に、エンジンをか けた瞬間の音は、けっこううるさいほうだ。

けれども、ひとたび、上の回転を使うような場面になれば、驚くほどスムーズにエンジンが回って、軽快のひとこと。速度にノってしまえば、ディーゼルエンジンであることも忘れてしまう。パ ワーのノリの良さ以外は。そして、そのディーゼルパワーを支えるシャシー&サスの良さ。段差の越え方など、高級サルーン以上に極上もんだ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード xDrive35d BLUE PERFORMANCE
全長×全幅×全高(mm) 4860×1935×1775
車両重量(kg) 2220
エンジン種類 直6DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc) 2992
最高出力[ps/rpm] 245/4000
最大トルク[Nm/rpm] 540/1700-3000
車両本体価格 839万円
Tester/西川淳  Photo/阿部昌也