求めたのはさらなるプレステージ性

  • メルセデス・ベンツ Mクラス 走り|ニューモデル試乗
  • メルセデス・ベンツ Mクラス リアスタイル|ニューモデル試乗
アクセルやブレーキ、ABSなどを悪路走行に合わせて最適化するオフロードモードを装備。下り急勾配で速度を一定に保つDSRなども備えた
プレミアムSUVの先駆け、Mクラスの3世代目は、内外装ともこれまで以上のプレステージ性を追求している。とりわけフロントマスクは、ワイド化され角度も起こされたラジエターグリル、LEDを効果的に使ったライトユニット、そしてワイルド感を演出するクロームのアンダーガードなどが相まって貫禄十分だ。

同様にインテリアも、クオリティ感を一段上のレベルへと引き上げている。空間的にもさらなる余裕が強調され、実際のサイズはさほど変わっていないながら、内外装ともに一層のゆとりを感じさせるのである。

エンジンは3.5L直噴ガソリンと3Lクリーンディーゼルの2本立て。前者は新開発ユニット、後者も大幅なアップデート版で、出力と環境性能を大幅に向上させている。いずれもECOスタート/ストップ機構付き。駆動方式はもちろん4MATICと呼ばれるフルタイム4WDである。

まさにメルセデス! な癒し系の乗り味

  •  メルセデス・ベンツ Mクラス インパネ|ニューモデル試乗
  • メルセデス・ベンツ Mクラス シート|ニューモデル試乗
インパネ回りは水平基調のデザインでまとめられた。9段階のリクライニング機能付きリアシートを備え、ラゲージ容量は最大で2010Lとなる
まずは何より見た目。この面構えをはじめとする押し出しの強さは、きっと多くのユーザーにアピールするだろう。

では乗ったらどうかと言えば、こちらは逆にメルセデスらしい癒し感がさらに濃くなっている。大きなサイズのシートは身体を優しく包み込み、乗り心地は驚くほど柔らか。実に心地良いドライブが楽しめる。先代だって相当に快適な車だったが、それに拍車がかかったという印象である。

他にもガソリンのML350 4MATICは燃費が実に4 割以上も改善されていたり、ディーゼルのML350ブルーテックは右ハンドルが選べるようになったりと細かな、でも大事な変更が様々に施されているのが好印象。難点を言えば、絶対Mクラスじゃなきゃという個性が今ひとつ薄いかなとは思うが、実際に手に入れたなら、きっと長い付き合いになりそうな1台だ。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ML350 4MATIC BlueEFFICIENCY
全長×全幅×全高(mm) 4810×1925×1795
車両重量(kg) 2120
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3497
最高出力[ps/rpm] 306/6500
最大トルク[Nm/rpm] 370/3500-5250
車両本体価格 750万円
Tester/島下泰久  Photo/神村 聖