大幅に進化したEV走行性能の魅力が光るプリウスPHV
カテゴリー: トヨタの試乗レポート
2016/09/15
プリウスよりも上級グレードだと一目で分かるようデザインを変更
正確な時期は未定だが今年中にプリウスPHV(プラグインハイブリッド)仕様が発売されることとなった。それに先立ちプロトタイプをサーキットで試乗してきた。現行型プリウスとの違いにスポットを当て、PHVの特徴に触れてみよう。
まずデザイン。全長が長くスポーティな印象だ。特にリアビューはユニークな形状になっている。「ダブルバブルウインドウ」と呼ばれるリアウインドウといい、燃料電池車のMIRAIに通じる顔つきといい、未来感に溢れている。
次に進化したEV性能にも注目したい。EV走行距離は60㎞以上。しかも時速130㎞までエンジンいらず。一般的なユーザーの多くが、エンジンを使わずに走れる計算だ。EV走行では、当然ながら発進はとても静かだ。加速もモーターによる急激なトルク変動はなく、必要分だけ速度をリニアに上乗せしてくれる。試乗したサーキットでは、時速90㎞からさらにアクセルを踏んだときに、ようやくエンジンが始動した。その際は、プリウスと同じハイブリッド走行だが、エンジン音が大きく感じる。それはEV走行時の静粛性が高いために起こる錯覚だろう。
また、プリウスで気になっていた静かすぎる故に起こるリアシートに座ったときのロードノイズとルーフを通る風切り音が、PHVでは静かになっているように感じられた。
軽快感のプリウス VS 重厚な乗り味のPHV
最後にPHV化にするにあたり車重がプリウスより約150kg増えた話に触れたい。これは、EV走行を可能にする大容量バッテリーを搭載するためだ。この重みをいかに感じさせないかが、トヨタ開発チームの使命であったのは言うまでもないが、彼らはむしろこの重みをプラスに変えてみせた。
車重が軽いプリウスの方はキビキビ感があり挙動がスムーズだが、PHVは重厚感ある乗り心地を意識したゆったりとしたロールを抑えるセッティングとしている。そのため上質な乗り味と高速道路での静粛性を重視したときは、断然PHVに軍配が上がる。
【SPECIFICATIONS】
■グレード:プロトタイプ
■乗車定員:4名
■エンジン種類:直列4気筒 DOHC ■総排気量:1797cc
■最高出力(ネット):72(98)/5200 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク(ネット):142(14.5)/3600 [N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:電気式無段変速機
■モーター型式:1NM/1SM ■最高出力:53(72)/23(31)[ kW(ps)]
■最大トルク:163(16.6)/40(4.1) [N・m(kgf・m)]
■全長×全幅×全高:4645×1760×1470(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1510kg
■車両価格:未発表
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